小さいカメラが好きです。簡単に持ち歩くことができて、気軽に、綺麗に撮れるようなやつ。

1974年発売のMinox35シリーズの初代。Minox110Sと同じくバルダ製です。一時期流行した「前面扉を開くとレンズが出てくる」系、とでも言いますか。Rollei35も含めると沈胴式の一族、みたいな。要するに、たたむとコンパクトでポケットにすっと入るカメラ、です。シリーズ自体も1999年のGT-E新型まで続くので結構長寿。兄弟にバルダ製のバルダとか、フォクトレンダー名義のビトーC(新しい方)とか、義兄弟?にKiev35とかがいます。結構大所帯。
すでに、1966年にはRollei35が発表されていますから、10年経ってELが目指したのはRollei35にはない性能、だったはずです。具体的には、沈胴式とはいえ、すべてのカメラ要素が剥き出しのRolleiに対して、前蓋をつけて、「蓋さえしめれば安心安全」を実現したこと、AEを搭載すること、ストロボを「ボディの下」などではなく、きちんとした場所に設定すること、ファインダーとレンズの光軸を離さないこと、巻き上げ角を小さくすること、あたりでしょうか。これらは、全部うまく改善されました。



ピントは目測、露出は絞り優先AE。シャッターボタンの色は赤(モデルによって色が違います)。上部にはバッテリーチェック用ボタンが一つ。電池は、現在ならLR44または43を四個。43の場合、MinoxLXなんかで使っていたアダプターがそのまま使えます。電圧の変化に割と敏感らしく、SRを使った方が良い、という話も。ボディの手触りはきっちりしていて安心感があります。
使用には「お作法」がありまして、一回巻き上げ(二回で一コマ分)、蓋を開ける、で電源がオンになります。電池がないとシャッターボタンを押しても軽い音しかせず、シャッターは開きません。つまり、「巻き上げた状態で持ち歩く」とぐんぐんと電池が減るわけです。加えて、巻き上げレバーが無茶苦茶重いです。指が痛くなるほど。
あと、絞り優先AEなのにその絞り環を動かすのがしんどいです。沈胴レンズの後部ボディよりにあるため、ギザを掴むのも面倒。カメラを逆さにして、斜めの対角位置に指を入れて、みたいなことになります。これ、PL以降のプログラムAEになるまで改善しないんですよね。

ネガを投影してフォーカススコープで粒子を見た時に、ちょっと感動するくらいの解像度があります。ただ、写りは良いのだけれど、この巻き上げの重さはネックだなあ。ちょっと常用には辛いものがある…
P.S.
さて、先日入手した「写真工業 1975年 7月号」に気になる記事を発見しました。曰く、「ミノックス35ELは、バルダ社が製造を下請けしているといううわさが流れているが、これはまちがいで、バルダはボディパーツの生産を担当し、組立はミノックス社が行なっているとのことである」うーん、これは初めて見た。どうなのだろう…