Anything Goes (again) ...

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時をかける少女

この映画は、当初見る予定にはいっていなかった。予告編もみたことなかったし、テレビでCMみたかなあ…てなくらいで。

デジモン系ブログで評価されているのを見たときに、監督が細田守だと知って興味がわいた。
で、だんだん見たくなってきて、とうとう新宿で見ることに成功した次第。

いや、この夏一番でしょ。まさに王道直球ど真ん中の青春映画。
さらに、細部へのこだわりとこまかさがここちよい。
国立博物館なんか、まんまだし、どこか懐かしい商店街や学校の風景。
細田節炸裂の繰り返しシチュエーションと、それが巧妙にマッチしていくタイムリープ

恋愛モノでもなければSFモノでもない、青春もの。
夏の、たった二日の間の出来事。

主人公はどれみ的な「ちょっとおばかだけど元気」なタイプで、先代がミステリアスな「魔女おばさん」。
絵作りは、山本二三氏のすばらしい背景がジブリっぽくみえちゃう人もいるかもしれないけれど、実際には映画版デジモンの雰囲気のほうが濃厚です。タイムリープ時の不思議な空間なんか、まさにぼくらのウォーゲームのときのデジタルワールドだし。

#あの数字、フォントとしてだしてくれないかなあ…

もちろん、アニメ的なわざとらしさとかは、いろいろいえばきりがない。
タイムリープのたびにごろごろしてちゃ不自然だろうとか、高瀬君勘がよすぎ、とか。
でも、そんなのはほんとに些細なこと。あのコミカルなごろごろ(わたしがなんとかする!)があるからこそ、クライマックスで血だらけになってごろごろ転がっていく(しかもなにもできない)シチュエーションがシリアスとして生きてくるのだし。

繰り返しの心地よさと主人公のおばかな思いっきりのよさが、悲劇につながっていくカスケードと、そこに介入する原作の設定(原作があったことをその瞬間まで忘れてましたよ、ワタシ)。

よくある「女子高生なら恋愛にあこがれてうんぬん」とかの不自然さは微塵もなく、
若者はこうあれかし的な説教くささもかけらもなく、

ただ、走り、立ち止まり、そしてまた立ち上がって走っていく、そういうカタルシスと懐かしさ。

奥華子もいいけれど、エンディングに「フレンズ」がながれてもなんの違和感もないよなあ…

結局、ジブリでもなんでもなく、これはまさに「細田作品」ですし、たぶん、その現時点での最高傑作です。へんなバイアスで見るのはもったいない。
素直にみて、素直に感動して、ちょっぴり気持ちよくなる、そんな映画です。
つまり、「スクリーンで見るだけの価値がきちんと提供されるホンモノの映画」。
開演一時間半前にチケット買ったら、すでに整理券84番でした(!)。
でも、その待ち時間すらも贅沢な待ち時間になってしまうほどの感動。

新宿には監督の原画がかざられていました。きれいな線です。
劇場でサントラを買い、
その足で絵コンテも買い、サントラ聞きながら歩いています。DVDが出るのが待ち遠しい。
もう一度映画館いきたいけれど、上映館がふえないとちょっとつらいところが難点。
これから増えてきそうな気はするけれど。

あと、前半のタイムリープどたばたのあたりはちょっとだけビューティフルドリーマーの匂いがしました。

あー、なんだかうまくまとまらん(笑)。もっかい見たいなあ。

(0914)
脳みそふらふらの状態で時間の隙間使って渋谷で二回目を見てきました。
八割がた席がうまっていたのでほっとしたり。

映画みるときのいつもの癖なのだけれど、二回目のほうがBGMが頭に残ります。
二日たったのにまだ頭の中をガーネットがぐるぐるしてる…
やっぱりよいです。

二回目だと、千秋がいつも博物館にいる、とか、高瀬がいじめられる直接の原因は消火器の暴走であって、それは真琴との交代は無関係だった、とか、気になるところが見つかります。
タイムリープは結局一度のチャージで何回できるんだろう、とか。
20回とみていますが。カラオケ10時間って何回分だ?

この映画館では新春上映で暗闇のスキャナーがかかります。すごく楽しみ。ちらしはいつできるのかな。

次の映画は週末のウルトラマン
山椒魚は気になるけどいかないだろうなあ…