Anything Goes (again) ...

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倖田來未の復帰ニュースを見て

旧聞に属する話ですが、ニュース見て思い出したので。
2月の朝日新聞、「私の視点」というコラムで東京大学の松田良一先生が書かれた文章より。

#随分ほうぼうでとりあられているので今更という感じもしますが。

>「羊水」発言  学校で教えられているか
(略)
> この発言は全くの間違いである。羊水は胎児側が分泌
>するもので、母体の年齢には関係ない。羊水は胎児の血液と
>同様に無菌であり、母体の年齢にかかわらず子宮内では腐敗
>しない。
>
> 羊水に関する勘違いは彼女だけの問題だろうか。羊水とは
>どういうものか、日本の若者はどれだけ教えられているだろうか。

(以下、「日本の理科教育は海外にくらべてもだめだめだ」という
松田先生のいつも主張が続くだけなので略)

 ラジオで放送された発言内容の問題の所在をそれが「正しいか間違いか」に還元した上で
「日本の理科教育」の問題にすりかえちゃいます。あいかわらずあざとい方だ。
これ、高齢出産に対する認識と態度、気持ちの問題であって「正しいか間違いか」ではないと
思うのですが。さらにいえば「学校で教えているかどうか」はもっと関係ない。
 じゃあ、「羊水が腐る」の代わりに「卵子が劣化する」という発言だったらどうなのでしょう。
どちらにせよ、高齢出産にかかわる女性の気持ちを逆なでする事にかわりはないので、やはり問題
発言になったでしょうけれど、この場合、「科学的に正しい」し「学校で教えている」から松田
先生は問題視しないのでしょうね。

#「正しい科学知識だから」といって逆にほめたりして。

 この失言問題自体が、「羊水とはどのようなものか」という知識に本質があるわけではなく、
マスメディアに発言する立場の人間としての視聴者へのシンパシーの問題です。
 「学校で教えられているかどうか」などという問題のすりかえがいかに下品か。
そんなに「日本の理科教育はあぶない」という主張になにもかもをねつ造していかないと気が
済まないのでしょうか。

 ところで、政治家の人たちが「宇宙人はいる」とかなんとかもりあがっていたとき、松田先生はその件でなにかご発言なさったのかしらん?