Anything Goes (again) ...

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Scanner

なんとか見に行くことができました。
この手のは上映期間がよめないので終わらないうちにいかなきゃというあせりが。
ひとこまずつ書き加えて実写をアニメにしていくというのがこの作品にはあうだろう、とは予告編でみたときから思っていたけれど、それがこれほどぴったりしていたとは。

ディック作品の映画化はたくさんあるけれど、ペイチェック以上にディック作品(つまり、いままで一番ディックらしい)になっていました。丁寧に原作の雰囲気と流れを生かしたかたち。
俳優もよいです。
現実認識についての乖離と他者とのズレがだんだん大きくなっていく過程のすごみは見事。

これ、もとの小説を読んで「意味がわからない」とか「シュールだ」とかいってしまうような幸福脳の持ち主には面白くもなんともないのでしょうな。ディック作品のもつあの感じ、地に足をつけ、人々の中にうもれている一つ一つの独立した現実にうずもれて流されていくような、そこに人がいるからこそ不可避に断絶していく閉塞感のなかで懸命に悪あがきしているような、そんな流れをきちんと映画にするとこうなるのでしょう。

小説を読んだときと同じように、ラストで泣けます。

こういう出来になるならシミュラクラとかユービックも映画化してほしいな…

劇場でとなりにすわったおやじが早々にいびきたてて寝始めたのはアレでしたが。
あと、予告編多すぎ、シネセゾン時かけの予告編をまたみられたのはいいけどさ。

サントラは、amazonに注文しました…