Anything Goes (again) ...

Yahooブログから移りました

つぼかび

立場上、本当はこんなこと書いてはまずいのかもしれないと思いつつ、
カエルツボカビ症の流れがなんだか微妙なので備忘録として。

国内での確認事項

・ツボカビの発症報告から始まったのではない。諸外国での「大きな問題」から、国内ではどうだろうと「調査してみた」ところツボカビが発見された、のが始まり。
・先日の報告から、国内の両生類もツボカビに感染することは判明した。
アカハライモリシリケンイモリ、オキナワアオガエル、ニホンアマガエルヒキガエル、タゴガエル、カジカガエルウシガエル)ただし、これらはすべて「感染していた」だけで、それによって死んだものは一個体もいない。つまり、彼らは「ツボカビでは死なない」
・野外の両生類からもツボカビは発見されている上、そのツボカビを持っていた個体も死んではいない。


現時点での「事実」

・日本国内には調査よりも以前からツボカビは普通に存在しており、おそらく現在も存在している。国内の両生類にはツボカビに感染しても死なないタイプのものがいる。彼らは、当然ながらツボカビのキャリアーとして機能しているはずである。彼らと同居している両棲類もツボカビにさらされている。つまり、それにもかかわらず死んでいない両生類にとってツボカビはなんら恐れるものではない。

と、いうこと。現在のところ「ツボカビのせいでカエルが全滅する」という危惧は無用なわけだ。もしかとすると「すでに滅亡した両生類」の中にはツボカビにやられたものがいる「かもしれない」とはいえるけれど、そのためには「いつツボカビが日本に入ってきたのか」がわからないといけない。でも、そんなデータはないわけだ。「調べてみたらそこにツボカビがいた」のレベルだもの。

気になるのは、もともとの諸外国のツボカビ症についての検証ではなかろうか。
本当に、喧伝されているような「危険」が両生類に生じるならば、今頃になって何かが起こるとは考えにくい。国内のツボカビも、昨年末の報道のせいで「最近日本に持ち込まれた危険な病原体」のような扱いをされているけれど、「最近」なのは、研究者が調査をした時期であって、ツボカビが侵入した時期ではない。

つまり、おおがかりなツボカビ騒動とツボカビプロジェクトによってから騒ぎをおこして「うまいことやっている」奴がいるのではないか、という危惧があるわけだ。日本人の間抜けな「あるある体質」をうまいことくすぐるにはうってつけのネタだものね。なんだかダイオキシンとごみ焼却の問題にも通じるうさんくさい金もうけが背後にあるような気がしてならない。


もっとも、それにかこつけて某フジテレビのヘビーローテーションキャスターが「自分はカエルが嫌いだから個人的にはカエルは滅亡してもらったほうがうれしい」なんぞという思慮のない発言をするのはどうかと思う。そうやって、ユダヤ人も黒人も差別され、不遇な目にあってきたのに。「カエルは人間じゃないから違う問題だ」というのであればそれは無知の上塗り。差別の時代には、被差別者がいかに「白人とは異なる生物か」を科学的に証明するのが流行していたのだから。まあ、あのキャスターはあの世代独特の人としての下品さが身上だからアレでいいのかもしれないけれど、ねえ。


追伸:
ようするに、ぶっちゃけたはなし「ツボカビで本当にカエルは死ぬの?」ってことなのかも。
だんだん海外の事例がうさんくさくみえてきました…