出勤時にマンションの下でふと足下を見ると四葉が目に入る。
目に入ってしまったものは仕方ないのでそれを手に摘むと次の四葉が複数目に入る。
数分、そんなことをしているうちに片手が四葉でいっぱいになって、これを手持ちの本にはさみこむ手間に思い至り、摘むのをやめる。
いや、なんということのない目の機能チェックみたいなものなんだけれど。
そうやって穫った四葉のクローバーを穂村弘の「現実入門」文庫版にはさみこみつつ出勤。
何冊か読んでみてわかったこと。
・こういう感覚というか発想を僕よりも少し年上の人間もしているんだ、という発見。
・いや、「それ」を内面に秘匿せずに、さらりと、というか、しゃあしゃあと売文につなげるしたたかさはすごいな、とか。
・でもなんかもどかしさが残る読後感。
・で、気がついた。この人、「吉田戦車を読んだことのない吉田戦車」だ。
・もう何冊かをかため読みして、その後はしばらく忘れたふりをするのかな、とか思う。なんというか、昔別役実にはまった時と近い感じかもしれない。
・でも、本当は吉田戦車なんか全巻手元に揃えていたりするんだよね。そういう隠れたしたたかさも感じます。