Anything Goes (again) ...

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もうぐちゃぐちゃ。市民の無知をいいことに煽りまくるんじゃないよ「科学者」さんたち

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110602-00000111-san-soci より。

「影響が認められないというのは、100ミリシーベルト以下の放射線が体に影響を与えるのかどうか分からないということ」(長崎大学 長瀧重信名誉教授)

科学者は何をいいたいのか。
こういうのが「煽り」なのだとわかってて言っているのか、これが「煽り」であるという程度の常識もないのか。
「ただちに」とか「0ではない」という「カガクシャのリョーシン」的発想ではあるんだろうけれど、
そして、影響が「ない」ことの証明は不可能である以上、まあ論理的にはそうだよね、ということではあるけれど。こういう発想だと「影響が確認」されない限り永遠に安全性についての結論はでないまま。科学者は未来永劫自分の研究がおわらないから税金から毎年研究費もらえて大ハッピーだろうけれど、実際に放射線の影響をうかがいながら安全性を判断して生活しなくてはいけない人たちにとっては文字通りの死活問題なのですけれどねえ。

「100ミリシーベルト以下の放射線の場合、線量が低ければ低いほど体に害はないというデータはない。ラドン温泉のように低い放射線は体に有益という考えもあり、“ホルミシス効果”として知られている。ただ、これは『線量が低くてもがんになる』という説と同様で、両者とも証明不十分」(唐木英明 東大名誉教授)

「低ければ低いほど害はない」というデータはもちろん「ありません」。あるわけがない。だって、そのレベルでは「検出できる害はない」のだから。100だろうが0だろうが検出できる害がどのみちない以上、「害の有無」については一緒だということ。だからこそ、「ICRPや国連科学委員会(UNSCEAR)は「体への影響が認められない被曝線量は年間100ミリシーベルト以下」としている」わけで。つまり、この範囲では「影響が認められない」のだから、逆に「高ければ高いほど害がある」というデータだって同様に「ない」(あるわけがない)わけですが…

 まったく、どうしてわざわざこういう煽るような言い方をするのか。もっとも、LNT仮説とホルミシスを併置して両方とも「証明不十分」(この言い方もひっかかるけどね…)と言っている以上、上の例よりは若干良心的か。ぶっちゃけ、この二つはどっちもオカルトだと思いますがねえ。それこそ「科学者の良心」というスキルを発動させるならここはきっちりと否定すべきとこなのでは、とは思う。

 LNT仮説なんか、危険印象対策の政治的側面の強い根拠のない仮説なのだけれど、逆に科学者のほうがこれを妄信しちゃっている手合いが多い感じで、身近でもいろいろと困っています。科博の地下いって霧箱ながめておいでよ。LNT仮説が正しいならみんなとうのむかしにおっ死んでるわいな。

 一般人だろうと科学者だろうと、煽り煽られて怖い思いをするのが大好きなのかねえ。

 たまには考えればいいのに。