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ジャンゴ (たらちゃん大爆発)

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 ちまたではディカプリオの悪役で話題になったジャンゴですが、タランティーノならではのマカロニウェスタンとしてばっちりの出来でした。
 歯医者の賞金稼ぎのシュルツがドイツからアメリカに渡ってきて感じる奴隷制への露骨な嫌悪感を視点として始まるため、「奴隷制度があたりまえのアメリカ」がえげつなく露骨に描かれて行きます。たぶん、王道の奴隷解放モノ映画よりもこっちのほうがよっぽどその事情や状況を赤裸々に描出しているのでは。
 KKK的なひとたちのお馬鹿さ加減とか、ニヤリとさせられますが。

 生まれながらの農場主であるディカプリオは奴隷制が「あたりまえ」な出自と成長によって「ふつうに悪役」。そこに、ガルの骨相学という「科学的根拠」が伴っていた当時の社会の趨勢も激しく描かれます。フランス知らずのフランスかぶれであるディカブリオは読んだ事のない三銃士が好きだというけれど、そこに、大デュマはクレオールだったのだよ、と皮肉をいうシュルツ。

 もちろん、ちょいと控えめではあるけれどタランティーノならではの暴力シーンはてんこもり。古い作品へのリスベクトとオマージュも大量にもりこんで、ジャンゴに至っては新旧そろい踏みのシーンまである。「Dはサイレントだ」「知ってるよ」。

 上映時間を感じさせないいつものタラちゃん節、といってもいいのかもしれない。いくつか残念なのは。スティーブンとは最後ちょっとでいいから撃ち合いをして欲しかった(杖すてちゃうんだもの。あれ、仕込み銃だと思っていたのに)、のと、棺桶ひっぱるシーンをどこかでいれてほしかった(こっちはもしかすると撮影はされているかも)、あたりかなあ。

 シュルツの馬車、ミニカーどこかでだしていないかなあ。あれ、おしゃれだと思う。