耽美系ホラー。小道具、衣装、映像の感じはとてもよいのです。時折無意味に驚かそうとするシーンがあったりするのもご愛嬌でしょう。
問題は、せっかくの映像美が演出面で生かされていないこと。屋敷や幽霊たちのアピールも弱いこと。なんというか、大事なところでお行儀が良くなってしまうために肩透かしをくらう、感じ。もったいないです。小道具たちがあくまでもただの小道具でしかない(屋敷ですら)あたりに物語としての限界があったのかも。
キューブリックやテリー・ギリアムだったらもっと違った料理の仕方をみせてくれただろうになあ、と。大人向けタイドランドになりそびれた、というと伝わるのだろうか。
映像表現や細かなガジェットの雰囲気を楽しむ一本。