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超高速参覲交代リターンズ(古き良き娯楽、時代劇)

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 ちゃんぱらものです。昭和の娯楽の一つ、時代劇。いまではほとんどつくられなくなってしまったけれど、毎週テレビの前でわくわくしていた記憶のある人間にとって、これはご褒美のような一本。前作も、テンポよく物語よく一気に楽しめる出来でしたが、続編としてもそれらをきっちりと乗り越えてさらに楽しめる、という素晴らしい結果に。脚本の人が「全部入りにした」というコメントを出していますがまさしく、です。レビューみてるとあんまりこれを楽しめなかった人たちってのもいて、ひとつはこの「時代劇ノリ」についてこれない人。たぶん、バンフレットのほりのぶゆき先生の四コマも楽しめなさそう。もうひとつは「参覲交代じゃない」と文句を言う人。いや、そりゃタイトルにはその言葉はいっているけれど「リターンズ」だから、と… 残念な感じです。
 ちゃんばらものとしてもばっちりと力をいれてあり、大岡越前は十手を投げてお白州で重厚な存在感を放ち、湯長谷の面々は(女子供に至るまで)恐るべき実力の持ち主たちであふれ、そしてなにより陣内孝則の悪の老中の出来上がりが素晴らしい。
 「知恵と工夫でのりきる」部分は前作でさんざんやったので、今回はそれすらもメタなネタとして使われています。単純な笑いではあるけれど、そういう遊び心がわからないと楽しめないだろうな、という意味では相応の賢さがないとだめなのかもしれない。もちろん、劇場は笑い声に終始包まれ、幸せな空間となっていましたけどね。尾張柳生は鎖鎌だしドリルだしもうやりたい放題です。そして、ラストの大団円を信じていられるがゆえの安定した安心感。
 連作するごとにつくるのは大変になっていくだろうとはおもうけれど、今回はこれほど露骨に(笑)仕込みをしたのだからぜひ第三作もつくってください。待ってます。

 あと、今回は(も)原作小説のほうは映画のラストにさらに一味追加されているので、できれば小説もどうぞ、と。