Anything Goes (again) ...

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否定と肯定(対立項目をたてる、という欺瞞)

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 ガス室問題です。デボラ役のレイチェル・ワイズが無礼で短気なアメリカ人(笑)を上手に演じています。(もちろん、裁判に勝つためにそれらの性質は後半ではちゃんと影を潜めていきますが) 対する捏造歴史家をティモシー・スポールがこれまた怪演。この役に彼を用意できた時点で作品の成功は半分決まったようなものだったのだと思います。そして、法律事務所のメンバーにアンドリュー・スコット、証人に立つ教授にマーク・ゲイティス、というもう、個人的には素晴らしい好みの配役(笑)。
 テーマがテーマなのでジンケン的なゆがみがあるのでは、と、ちょっと内容を危惧していたのだけれど杞憂でした。ちゃんとした骨太の法廷劇になっています。(不安があったために、この時期恒例の「1ヶ月フリーパス」で見たのでした)
 この裁判自体、記憶にあったので結末はわかってはいたけれど、なかなかうまい作り方をしています。両サイドどちらにも必要以上に肩入れせずに進んでいく様子は好感がもてる。途中、デボラがバカなことをしでかしそうにはなるけれど、それをきちんと抑え込むところなんかもよいです。あと、ロンドンの観覧車、裁判当時はできたばかりでちゃんと存在していたんですねえ。
 それにしてもアンドリュー・スコットの表情の演技は好きだなあ。