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ギフテッド(天才対毒親)

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 天才的な数学の才能を持つ子供をめぐり、元数学者の祖母と、姉から子供を託された叔父をめぐる人間関係。基本的に、高学歴家族の中に「名声願望」のある人間が一人はいりこむと、それが群れを滅ぼす黒いネズミになる、という話です。子供を英才教育することによって母親がたどりつけなかった歴史に名を残す証明に到達させようとする祖母と、「普通の学校」で「普通の友人」と過ごさせようとする叔父。この叔父もふらふらとボート修理で生活し、保険にも入っていない、ということだけれど実は「祖母(自分の母親)」のお眼鏡にかなわなかったというだけで、実はしっかり高学歴の実力者であることが途中で見えてきます(ハーバード大、哲学の准教授)。
 子供としても、自分と対等に話のできる環境や、自分が楽しめる数学の問題は欲しいので、そのせめぎあいも複雑に展開していきます。物語の主軸は「毒親との戦い」。子供の母親が死の間際に残したものと、それによる痛烈なる祖母への一撃がクライマックスでした。
 ただ、この作品はそんなことよりなにより、子役のマッケナ・グレイスのキャラクターによって成功しています。よくこんな子供をみつけてきたなあ。少女のかわいさだけでもう成功と言っていいでしょう。クリス・エヴァンスが存在感の希薄な役を絶妙に演じているのも趣がありました。