Anything Goes (again) ...

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サバービコン(シニカルな、ザ・アメリカ)

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 ヘイル・シーザー以来のコーエン・クルーニー映画。とはいえ、ジョージ・クルーニーは今回監督と脚本に徹していてでてきません。保険調査員役だったはずが、そこにオスカー・アイザックが入り込んだ、とかそりゃもうオスカーのほうが良い(笑)。このひと、最近はポー・ダメロンのイメージみたいだけれど、自分的にはSuckerpunchのブルー、です。あいかわらずすごい強烈な存在感。

 物語は、いかにもアメリカ。能天気で、閉鎖的で、差別的で、自由で自分勝手で、そして、全員しずかにどこか狂ってる。この、「全員狂っている」ことこそが、たぶんアメリカの日常なのでしょう。オリジナルは実話に基づくコーエン兄弟の古いアイデア、というけれど、映画化するにあたってぜったいトランプ政権のこととか頭にあったはず。よもやあのスリービルボードが地味でおとなしい映画に思える日がこようとは。

 結末に救いがない、というコメントをみましたが、「アメリカ」なのだからこれで十分に救いがある部類でしょう。おとぎ話ではなく、実話をベースにして、現実を切り取って見せた作品です。

 個人的には、現状で今年一番。