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ゲティ家の身代金(金を儲ける者)

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 ケビン・スペイシーからクリストファー・プラマーに交代して再撮影、とのことだけれど、大正解だったのでは。この映画の肝はゲティ1世と、アビゲイルという「似た者同士」の対決にあるのだけど、ミシェル・ウィリアムズの鬼気迫る癖の強さに対してはプラマーはばっちりだった。たぶん、ケビン・スペイシーだと、ただの嫌なおっさんどまりで「対決」要素が薄まっていたと思います。
 息子を助けたい母親と、身代金を払いたくない祖父、という構図ばかりが先行しているけれど、そして、本編の軸はたしかにそうなのだけれど、祖父と母親双方にはなんとも言い難い「ひっかかり」があるようなに演出されています。特に、母親のなりふりかまわず助けたい、という行動が、わずかにいつもずれていて、スクリーンのこちら側から見ていると歯がゆい、あるいはいらいらさせられる。ポール以外の子供達についても留守番のシーンにわずかにでるだけ、というのもあえての演出なのだろうけれど、なにかひっかかるのです。
 祖父も母親も、誘拐犯を間において、お互いに戦っている、という印象。なので、どちらかが勝った、というのではなく、単に「代替わり」する似た者同士の話だったのだろうと思います。

しかし、ゲッティイメージズのゲッティだったとは。