Anything Goes (again) ...

Yahooブログから移りました

ピーターラビット(ラスト五分に涙するドラマチック巨編)

イメージ 1

 いや、自分もあまりピーターラビットは知らなかったのです。「カワイー系」のグッズしかみたことなかったし、個人的には「ウォーターシップダウンのうさぎたち」のインパクトが強かったもので。
とはいえ、「お父さん」の紹介がすでにパイになっていた、というのを知ってから気になっていました。しかも、実写化の話がことごとく公式に断られてきた、ということ、著者は菌類学者だったのに性別のせいで活躍できず、絵本の中にその菌類愛をぶちこんだ、とかも聞いてしまうとただものではないわけです。
 で、今回の「初の実写化」つまり、公式のO.K.を獲得した「ピーターラビット」。要するに外来種問題で、ロンドンという外の世界から湖水地方に紛れ込んだ外来種が在来種とわたりをつけて共存するまでの物語。ごく初期の日本の予告編こそ「かわいー系」でしたが、だんだん様子がおかしくなっていき、最終的に湖水地方のマッドマックスと化しています。「キャラクターが死なない」という一点がファンタジーなだけで、あとはガチ。ピーターサイズのうさぎが正面から下腹部を後足で全力で蹴り込む、とか、普通に死にます。うむ、イギリスですなあ。

 ラストは、相互の「やりすぎ」を整えた結果、落とし所にたどりつく、というなかなかうまい着地点。このあとも仲良く喧嘩していそうです。
 あと、ピーターが「げっ歯類」と呼ばれるたびに怒るのもG.J.。今では「うさぎはげっ歯類ではない」のですから。こういうさりげない教養もこぼれ出る、素敵な物語でした。うむ、満足です。