ロードショーに対する嗅覚はにぶっていませんでした。
ふと、雑誌の片隅で紹介を見かけて、「主人公は僕だった」は印象に残っていなかったのにもかかわらず、
無性に見たくなって映画館へ。
子供にみせたい大人のファンタジーです。
いや、「大人」になっちゃうと細部が気になってしまって楽しめないのかもしれません。
理屈や理由が欲しい人はものたりないでいしょう。
なぜ、とか、どうして、とかいいだすと世界は色を失っちゃいますよ。
色を失った世界で生活しているタイプの人にはきっと地味でつまらない映画です。
どこがいいかすらわからないかもしれません。
Tideland並みに、観客を選ぶ映画といえます。一種のリトマス試験紙的存在。
でも、「これが映画」だと思います。こうでないと2000円弱を払って映画館の椅子に座る価値はありません。
年末の安っぽいテレビ番組見に行くわけではないのですから視聴者サービスのごますり的展開もいりません。
ちゃちな予定調和をどんぱちもりあげて派手に騒ぎ立てるのとは対極にある、テーマとキャラクターとがこまやかに織りなす物語。
きちんと内容を追っていけば、ほぼすべての伏線はきれいに回収されていますし、きれいに調和した上で、
見た人の心が補う部分も残されている、つまり、満足しつつも余韻にひたることができるわけです。
脚本も緻密です。
オープニングとエンディングのクレジットもすごくおしゃれ。
つい、にやりとしたりくすくす笑ったり、クレジットが楽しいというのも良いものです。
一時間半ちょっとをゆらゆらと楽しめる素敵な時間があります。
チキチキバンバン系統の優良ファンタジー。
#ミュージカルじゃないですけどね
ダスティン・ホフマンとナタリー・ポートマンという贅沢な組み合わせも大正解でしたね、これ。
映画ってこうでないとね。公開期間中にあと何回見に行けるかな…