Anything Goes (again) ...

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神山版009 (で?っていう)

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 うん、予告編できらめいていた画面のスタイリッシュさ、川井さんの音楽のかっこよさ、スカイウォーカーの音響、全部とてもよい感じで、おしゃれですばらしかったのですよ。
 もちろん、00ナンバーズも均等に活躍する訳ではなくてたとえば物語のキーパーソンであるはずの008なんかサイボーグとしての活躍は皆無、とか、扱いの温度差が結構あります。でも、009の加速装置やジェット・リンクの能力、005の剛力、と、魅力的に表現されてます。
 問題は、神山監督。はっきりいえば、様々なものが陳腐です。政治情勢も、アメリカの大国主義批判も、「彼」の声も、全部陳腐。今時この程度ではねえ、という。「ヒトの脳にやどり脳が産んだ概念・存在」としての「神」、そのトリガーをひく存在である「天使」… いや、脳の神秘なんていう話を今の時代に作品にするのであればもう少し煮詰めないとだめです。
 もちろん、石ノ森流の省略や御都合主義、というものもあるのである程度までなら世界観の内、ではあるのですけど、ね。
 ハインリヒが彼の声を利いていないのはなぜ?とか、言いだしたらきりがない。

 正直、残念です。画面も音響も声優もすばらしかっただけに、内容が、脚本が残念すぎます。一人でいいから、ちゃんとしたSF考証のできるスタッフに入ってもらえば良かったのに。神山監督は押井守と同じ轍をふみはじめたのかな。だとすると、次回作も期待薄、ということなんですが…

 昔から「脳にはまると危うい」という警句があります。作家も研究者も。そのパターンがくりかえされた、という結果なのかも。

 あ、またパンフレットが赤いや。