Anything Goes (again) ...

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オブリビオン (Welcome Home そして I'm Home)

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 実際、最初に予告編見た時にはあまり期待していなかったのでした。トム・クルーズだしなあ、とか。で、監督がトロン・レガシーの人だとわかって興味がでてきて、予告編が何段階か進んだ段階で気になり始めて、という感じ。
 企画自体が監督のオリジナル、ということだけど、巷でいわれているとおり過去のいろいろなSF作品のパーツが組み合わされています。それらを監督のデザイナーセンスでひとまとまりにした感じ。ただし、観客には媚びません。だから説明が欲しいタイプの人はちょっとつらいかもしれない。あと、侵略もの、ファーストコンタクトもの、破滅もの、未来もの、等々のSF要素になじめないと辛い、ということもあるかもしれない。
 個人的にはこれは「あたり」映画です。うまく、きれいにまとまった、単発SFとして十二分に楽しめました。ディック好きならなんの違和感もなく作品世界に入れるだろうし。

 パンフレットでも触れられていたけれど、一つ不満があるとすれば戸田さんの字幕で「クローン」という言葉が遣われてしまったこと。あれ、異星人のオーバーテクノロジーで「完全複製」されたのであっていわゆるクローンではない、はずなのになあ、と。と、いうか、クローンといってしまうことでオーバーテクノロジーの印象が薄れてしまうのでちょっと残念。

 さて、3Dではないのです。その理由が監督いわく「昼間のSFをとりたかったから」。潔いというか納得というか、3Dグラスの難点を排除する為に、ということ。とはいえ、本作はSONYの4Kで撮影された最初の映画でもあるので、その意味からも3D化はあまり良い選択肢ではなかっただろうな、とも思います。さらに、タワーの背景となっている空などは合成ではなく、ロケ地にスクリーンを張ってプロジェクションしたとか。2001年の冒頭のような感じなわけで、そのおかげか、実に光のまわりがきれいです。

カメラのことといい、絵作りの雰囲気といい、ちょっとPITOFに近い気配も感じます。そういえばVIDOQは世界初のデジタル撮影映画だったなあ、とか。