Anything Goes (again) ...

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モンスターズユニバーシティ(でもポケットがないや)

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 マイクは努力型、という感じの認識があるみたいだけど、それは違うでしょ。子供の頃のMI見学でプロに「気づかれずに」人間の子供の部屋に侵入して戻ってきたマイク、瞬時に小道具の連携をあみだして豚をつかまえるマイク、マイクは「天才」なんです。ただ、自分が「求めている種類の天才」ではなかっただけで。
 クライマックスをおさえる人間界からの生還への道がさらにマイクの天才を印象づけます。あの学長がかませ犬になるとは。つまるところ、周囲の雑音や枠組みに惑わされずに自分の「できること」を爛漫にのばしていくと道はひらけるよ(ディズニーだからちょっぴりラッキーな感じで)、という映画です。

 駄目な子が隠れた能力を発揮して自分の道をみつけ、周囲の人々も巻き込んで成長していく話、というのは最近の映画のはやりなのか、と思うほど、言ってしまえばオヤクソクな展開。もちろん、構成としてはみんな最初のあたりでその才能の片鱗は呈示されているので、壮大な「伏線回収作品」となっています。
 「こうくるはずだよね」というモノも含めて、きっちりと回収して「見たいもの」を出してくれる映画。

 で、それが「努力すれば夢は叶う」ようにみせかけられているあたりが映画作りの「うまさ」です。カッパーの面々もそれぞれ自分の確かな人生を手に入れて前進していくけれど、でも、それらも全部「マイクの天才性」に引きだされた結果。当初うまくいかなかったのはマイクがメンバーを見下していたからで、ちゃんとひとりひとりをよく見てプランニングすればほら、この通り、という形になっている。そういう意味ではマイクは「有言実行型の天才」でもあるわけです。

 あと、いつもどおり細かいおしゃれな「あそび」に満ちています。ただ、字幕で二回目を見た時に気がついた物も多いので、やはり吹き替えではなく字幕でみるべき。韻の踏み方とかもそうだし、「いたずらっ子」とかもうまい。(sea urchinだからなあ) エンドクレジットで流れるカードをよく見ると大学の面々がどういう進路をとったのかもわかります。

 うーん、正直にいって前作のMIより映画としてもよくできていると思うのだけれど、話がちょっと複雑になったから前作みたいな単純な物語を求めていた人達には受けがわるいのだろうか。

 あと、こういうのをみるといつも思う事だけど、アメリカの大きな大学での学生生活って…めんどくさそうだなあ。日本でまともなコミュ力ない人間が行っても、向こうではなんにも出来ないだろうな、と思われますね。