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映画 ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!? 未来につなぐ希望のドレス (もちのろんさ)

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 いろいろと王道をやらかしてくれました。マナの完璧ぶりに対するゆさぶりと、そこからの立ち直り、と言ってしまえば身もふたもないけれど、マナであるからこそ「ゆさぶる」には相応のエピソードが必要なわけで、「すでに失われた命」を二つからめることで納得しうる心理ダメージを設定する事に成功しています。昔飼っていた、そして、自分がちょっと気をそらしたせいで死んでしまった犬、そして、病気で亡くなった祖母。子供の人生にとって「命との別れ」はなかなかむずかしいはなしでもあるのに、そこにあえてもってきました。
 今回は、全体的に「子供におもねらない」つくりになっていると感じます。そういった「命」についての展開もそうですし、戦闘シーンでの出血、人形の恐怖等々。同時に「映画だから」といって作画をテレビから大きく変更してもいません(ここはもしかするとものたりなさと感じる人もいるかも)。それでも、空飛ぶクジラなど、力をいれる部分はしっかり力がはいっていますし、CG表現も格段にレベルアップしています。
 循環する「居心地の良い過去」の中に閉じこもる主人公を時間の縦軸である世代を超えて受け継がれる愛によって貫く、というストーリーはあまりにも王道すぎてまぶしいくらいです。失ってしまったいとしい人達と再開して、さらに、再び失う恐怖に直面することで「これならマナだって仕方ないよ」と思わせつつ、冒頭の三代うけつぐドレスにからめた祖母の言葉で立ち直る。失う辛さ、見捨てられる哀しさを踏まえつつ、閉じた輪の中に未来は存在しない事に気づかせる。

 でも、まどマギ同様、実はこれもまたビューティフルドリーマー的なのだな、とかつい思ってしまったり…

 もちろん、ラスボスとの戦いなんかたいした事はなく、みんなの思いをうけとりさえすれば簡単に倒せてしまう、というプリキュアです。ラストシーンのおかげで、少なくとも今回のエピソードでマナだけは大切な失ったものとの再会をはたしたのだ、というご褒美もずるいです。物語がシンブルである分ストレートに訴えてくるものがあり、油断すると涙腺が崩壊します。この感触はハートキャッチの映画版以来。個人的に、秋の魔法少女映画はプリキュアに軍配、でした。二回目をみるとすればまどかではなくこっち、ですね。

 こまかいこと。
 途中まで初期装備で闘っていたのでエースとかでてこないのかと思っていたら後半にちゃんと出番あり。
 とはいえ、テレビ本編よりも前のタイミングっぽいのにアイちゃんが普通にしゃべっているとか。
 「マナ結婚」とかいいつつラストにちょいとでてくる程度のはなしだよねえ、とか。このへんは女の子の興味を引く為の小道具だったのだろうけれど、せっかくやるならクラリネットと混戦になってマナの娘や孫もだしたってよかったのになあ。
 あと、アイちゃんがシフォン並の便利キャラになっていた、とか(笑)

 で、年明けにNewStageのラスト、なわけですね。DXも三本つくってNewStageになったことだし、ここできりかえてまたなにか企画してくるのでしょうけど、どういうかたちになりますやら。