Anything Goes (again) ...

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Rush(ちょいとハントさん美化しすぎじゃなくって?)

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 大雪の日のレイトショー。ロン・ハワード監督にはもともとそんなに興味はなかったのだけれど、ラウダの312T2を大画面でみられるとなればそんなこまかいことは言ってられません。
 ハントとラウダに焦点をあてた70年代F1物語。当時をリアルタイムで覚えている人はもう50代すぎているのかな。F3からのステップアップからはじまり、76年の富士のアレでおわるこの物語、もちろん、主役二人も良く似ている(特にラウダはすごい)けどそれだけでなく、脇を固める有名人もそっくりです。ヘスケス卿もポスルズウェイトもレガもテディもモンテゼモロもコメンダトーレも。
 レースシーンは最高の贅沢。実写とCGをおりまぜながら再現されるこれはできるだけ大画面にかぢりつくように見るべし、です。フィオラノでの312Tからレースしている312T2、富士ではもちろん「たいれる」やロータスも。そういやB3って画面上では無視されていたようだけど実車の手配ができなかったのかしらん。
 物語は、ともすれば単調になりがちなF1サーカスの流れにうまいことスパイス的な創作をおりまぜて映画にしたてあげた、という感じです。これはうまいと思う。実話と創作のさじ加減が結構巧妙で、フィオラノ時代のことをBRMに持ち込んだりもしているみたいだけれど、そのおかげでストレートな画面作りになってます。事故後もマルレーネ婦人がサーキットにいつも顔をだしていたりするのもそういう創作、ですね。そうそう、パンフレットにハントとラウダの名前をフルでいれなかったのはわざとなんですかね?知らない人にとって「ニキ」って不思議すぎるでしょ。

 個人的には、この翌年にラウダが最初の引退をし、さらにハントに見いだされたジルがF1にとびこんでくるあたりにつながっていくのか、と思うとここでおわるのがもったいない気がして… 40番のM23と12番の後期型T2も見たかった… (いや、ようするに映画Villeneuveはどうなったんだ!て話なのですが)

 あと、すでに故人だからしかたないのかもしれないけれど、ハントが妙にお行儀いいです。もっとはちゃめちゃで大胆で繊細な人という印象だったけどなあ。女好きなところなんか実物の数百分の一くらいに希釈してると思うし。

 どちらにせよ、最もドラマチックでユニークだった70年代から80年代にかけてのF1を楽しめる、非常によくできた一本です。模型な人はブルーレイ買わなきゃですな、これは。

 とりあえず、1/12作るのは大きいので、つんであるハセガワの312Tに手をつけようかと思います(T2は少し前にやっつけた)。