いまをときめくカンバーバッチ。戦争、暗号、マイノリティ、といった複雑な主題のからんだ役を見事に演じました。イギリスによる情報公開によって実現した物語。天才の孤独と高揚、チーム形成のカタルシス、人間関係の機微、様々な側面が上手にからみあって一本の佳作になりました。
個人的には最後のナレーションにやられてしまった…あれはずるいよ…
カンバーバッチファンならずとも、コンピューターの歴史に興味のある人はぜひ。
尺におさまりそうもないけれど、象徴的なエピソードなんかは小道具として絶妙な感じで組み込まれているので史実を確認してから見ると二度美味しい構造になっています。
ただ、そのために若干テーマが散漫になってしまったかもしれない。カンバーバッチが名演すぎて映画としての骨格が逆に絞りきれなくなっている気配がします。いい映画だけど、ちょっと惜しい、そんな感じ。