Anything Goes (again) ...

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ゾンビーバー(ある意味特撮のお手本のような(笑))

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 「ハングオーバーのスタッフ」が、という惹句は、まあどうでもいいです。ポイントは、この時代にCGを最小限にしてマペットビーバーを使って王道ホラーをやらかした、というこの一点につきます。
 夏休み、湖のそば、能天気な若者カップルたち、隔離された空間、襲いかかるゾンビ、噛まれると人間もゾンビ化、あとは大量のホラー映画オマージュ。
 こだわりのマペット特撮といっても、「特撮こうあるべし」みたいな教条的な気持ち悪さも皆無で、こういうところは「巨神兵あらわるムービー」なんぞをつくったような人たちにはぜひ勉強してもらいたいところ。はっきりいってしまえば、「日本の誇る特撮技術」とかいっても「映画」としてだめなら当然それは「だめ」なわけです。「巨神兵」はイベント上映だもん、といういいのがれがかろうじて可能だけれど、あのノリで「映画」つくってはだめ。
 そこに何が足りないのか、はゾンビーバーみればわかるし、これを見てもわからなければそれは特撮に「向いていない」のだろう、と。
 端的に言ってしまえば、目的と手段を取り違えてはいけませんよ、ということ。円谷英二がやったのは「確立した定型のお作法文化」をつくることではなく、新しい道具と工夫で「映像」をつくりだすことだったわけで、「日本の特撮技術というお家芸を守る家元」になったわけではないでしょうに、ということです。

 なので、昭和の時代から特撮の映像にワクワクしたりびっくりしたりしてきた人たちみんなにゾンビーバー、おすすめです。安っぽいけれど、「楽しめる映画」のための工夫とサービス満載。もちろん、ホラーのお約束も満載なので安心してみていられます。そして、そうやって安心していると最後キャリーのようにどかーん、とヤラレて、「そうきたか!」と(笑)

 ラストシーンからは続編の臭いがするけれど、次をつくれるくらいには売れているといいねえ。