Anything Goes (again) ...

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最後の1本 (witness)

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 哺乳類のペニスをコレクションしている人の話。そういう博物館がある、というのもおもしろいし、そこに「ヒト」を収めるための騒動、というのはドラマとしてもよい着眼点。ドキュメンタリーとして普通におもしろいです。さらに、アメリカから立候補した人の性格がぶっとんでいてプラスアルフアされているし。
しかし、自分のペニスに名前をつける、というのは聞いたことあったけど名前をつけて愛着をもつとこういうことになるのかあ、と。自己顕示欲の究極のカタチなのだろうか。フレッシュゴードン思い出しましたよ。

 映画は面白かったのに、今回ひとつだけがっかりさせられた(ひかえめにいって)のはプログラムの袋とじページに掲載されていた「ろくでなし子」氏の文章。最初からこの博物館を意味のない悪ノリ的冗談としか認識しておらず、そのために徹頭徹尾「自分が犯罪者にされた」経緯の自慢話で終わる。そこには外部生殖器に対する愛着もリスペクトのかけらもなく、単に「タブーに触れるとみんなが騒ぐから有名になれる」程度の認識、そして「でも自分は悪くないもん」的なアピールばかりで、知性も教養も真摯な態度も全くない。ただただ下品。ある意味ではこちらもトム・ミッチェルと同じ穴のムジナ「自分の外部生殖器で自己顕示欲を満たす」タイプだけれどね、という点だけが映画との共通点で、言っていることはまるで外科の教科書の生殖器官のページひらいて騒いでいるガキの戯言なのだ。これは芸人ではあるかもしれないけれど、間違ってもアーティストではないな。GAGAもこんなのに文章かかせるくらいなら養老孟司や布施英利に頼めばよかったものを。

 MadMaxFuryRoadで印象が強かったwitnessの使用法をペニス提供の契約書類で確かめることもできます。いわば、この映画自体が「見届ける」立ち位置のものなので、こここそが本質だったのかもしれません。

 あ、プログラムの袋とじは、向かいのページに熱海秘宝館の宣伝ものっていて、こちらはなかなかちゃんとしています。秘宝館にいくとクジラのペニスの展示もあるので、近くによった時はぜひおすすめ。