Anything Goes (again) ...

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ひとまとめその2

「ヘイル・シーザー」
 コーエン兄弟の「映画愛」です。往年のハリウッドの空気を丁寧に再現しつつ「映画が大好きなんだ」というアピールをする一本。「映画か好きかどうか」で観客の評価は極端に分かれるだろうな、これ。映画の中からみたときに映画愛、というカテゴリーって、今でも通用するのだろうか。「映画」がイベント性の高い趣味的娯楽だった時代への憧憬、にも見えて来る。劇中劇のすさまじい贅沢さも、実にやりたい放題。


「殿、利息でござる」
 丁寧な脚本と演出。見た後の心地よい余韻。実によくできた一本です。細かな演出の一つ一つにきちんと伏線回収がされてゆき、最後の大団円につながる、という。「悪者」が一人もいない世界。どこにも「嫌な感じになる」ことがない。日本映画はまだまだ大丈夫、と思わせてくれる気持ちのよい一本。そういえば残穢の監督さんでした。


スノーホワイト」(アナ雪の本番)
 実写版アナ雪。前作をそういえばみていなかった。あれをリアル路線で描くとこうなりそうだよなあ、という物語。シャーリーズ・セロンを堪能する一本、でもあります。


デッドプール」(お行儀いいなあこれ)
 まず、マスクの下がきれいすぎでしょ。もっとぐちゃぐちゃでないと。まあ、X-Men臭をおさえたつくりになっているのはよかったです。スタン爺さんもやたら元気そうだったし。物語としては、もう一声欲しかったけれど、たぶんこれで自作の予算がついてもっとやらかしてくれると信じています。


「神様メール」(あれは俺がやったんだ)
 これまた観客を強く選ぶ類の一本。モンティ・バイソン系のブラックさが嫌いな人とかはやめておいたほうがいいのかもしれない。宗教ネタだけれど、相当「すれた」類なのでそれも人を選びそう。ただ、個人的にはピンポイントにツボを刺されました。とりあえず、2016年にみたなかでいまのところ一番。見終わると、ドラム式洗濯機をのぞきたくなります。あと、ブリュッセルの街並みがきれい。


マネーモンスター
 スタジオ劇。上手な緊迫感とタイミングのよい謎解きはうまい。ただ、予告編で示されていたほどの大きな問題はおこらないし、全体的にこじんまりとした空気で終わるのがもったいない。踊るクルーニーとか、先のヘイルシーザーに続いてこの感じなのか、と(笑)

帰ってきたヒトラー」(SNSではろくな奴があつまらない)
 原作を読んだ時から映画化が楽しみだった一本。マイナー館を覚悟していたら驚きのTOHOシネマズです。ヒトラーが現代にタイムスリップしてきたら、というIFもの。ただ、映画では原作の先を含めて独自展開を持ち込みました。ヒトラー自身がドイツをまわってインタビューして歩く、というドキュメンタリーを組み込んで、さらに、「襲撃された後」の展開をおとしこむ、という流れは原作以上に恐怖と妥当性を感じさせる展開で上手。ラストの映画撮影シーンのセットが普通にCGと融合していて非現実的なのだけれど、そんなことも気にならないくらいに。これは、傑作です。


インデペンデンスデイ リサージェンス」(次はタイトルどうするの?)
 もう、20年たつんですねえ。ウィル・スミス以外は集合(ギャラの問題かしらね)。あいかわらず「でかいものをとりたい」エメリッヒ監督のやりたい放題映画です。ジェフ・ゴールドブラムが渋くてよい味を出しているなあ。前作のノリのよいバカ展開はあんまりありません、その分、がちでつくってみたよ、という感じ。前作の大統領もあいかわらずだし、惜しむらくは”woops!”がなかったこと、かな。
 あと、いろいろと「見覚えがある」のもちょっとなあ。冒頭は未知との遭遇だしなあ、と。
 で、とうとう次は超科学を手に入れて敵の本拠地をたたきにいく、って、パシリムですか。それ、タイトルかえなきゃなんないよね?と。