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StarTrek beyond (ENTとの橋渡しをするTOS)

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 監督がジャスティン・リンというのですさまじく不安でした。予告編にオートバイの爆走シーンとかあるからなおさら。ただ、脚本の手直しにサイモン・ペッグも参加しているし、今回はニモイとイェルチンの二名のこともあるからひどいしろものをつくるわけにはいかなかだろう、と思って。
 うん、大丈夫でした。今回の見所は三つ。ひとつめは強烈なるTOSリスペクト。SEから赤シャツから上陸作戦から、テレビシリーズのアレです。ふたつめは船。もちろん、大きな仕掛けであるヨークタウンという化け物もさることながら、NX326のフランクリン!連邦初のワープ4船、ということなので、ワープ5をだしていたNX-01エンタープライズとの整合性がこちらのタイムラインでは崩れているわけですね。第二船体もまだないし。ただ、クラールの制服デザインもあわせて、「アーチャー提督の犬」以外のENT系列とのつながりがはっきりしました。あと、エンタープライズが沈む時のビジュアル。円盤部をのこして落ちていく過程でドーサルネックからの分離シークエンスを盛り込むとは…もちろん、最後は「A型」への引き継ぎです。5年間の調査飛行中にリフィットすらされずにA型になる、というのもこちらのタイムラインならでは。ある意味、カークよりもエンタープライズの出世の方が早い(笑)。その分、今回はヨークタウンでTMPばりのシーンが目白押しです。三つめの見所は、メインの俳優たちがいままで以上に作品世界に溶け込んでいたこと、でしょう。みんな、すごくスタートレックでした。
 全体的な展開もTOSっぽいのです。スコットのまわりにかたっぱしからへんなエイリアンが集まってくるのはご愛嬌で。次回作にはジョージ・カークをだす、ということなので、このタイムラインがさらに混沌とするのか、あるいはここらでネクサスを絡めるのか。あと残っているのはネクサス、ジェネシス、タイムスリップ、あたりのネタですかね。今回、セリフの中にズィンディもでてきているので時間警察もいれられるわけだし。
 さて、今回のbeyondが予想に反して「StarTrek」だったわけだけれど、逆にトレッキーにとってあたりまえのことには説明をしない、という徹底ぶりもみられました。なので、過去作をしらない、あるいは文化としてのStarTrekに接したことのない人にとっては「?」な表現もたぶんいろいろあっただろうな、と。いろいろあるうちで一番不親切だったな、と思えたのは惑星連邦とMACOの関係についてさらりと流してしまった部分でしょうか。一応言葉での説明はあったけれど、ENTを見ていないとたぶんわからないだろうし、そこがわからないとなおのことクラールの動機がわからないだろうなあ。