Anything Goes (again) ...

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ミス・ペレグリンと奇妙な子供達(脚本の優秀さと「あのフロリダに」)

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 ティム・バートン系でいうならば、これはナイトメア・ビフォアクリスマスの直系です。なにが幸いするかわからないものだけれど、個人的に感じたことは「この作品にティムが関与したタイミング」がすべてだったのだろう、と。つまり、ジェーン・ゴールドマンの脚本ができた後に監督が参加したこと。もう、本作の出来の良さはここにつきます。そして、ゴールドマン自身、キックアスやキングスマンでわかる通り、「この世界観」に実にふさわしいライターであったこと。
 結果として、ティム・バートンの趣味を全開にしつつもアリス等でこぼれてくるあのあまっちょろさがそぎ落とされ、実に鋭利な映像作品が生まれました。リグズの原作は三部作となっているようなので、まずは続編の訳出を楽しみにしたいと思います。申し訳ないけれど、潮文庫から金原さんの訳ででるとうれしいなあ。
 映画一本にまとめるのにはボリュームがあるので、うまくそぎおとし、再構成しています(その過程でヒロインの能力がいれかわったりしていますが)。ちょっと駆け足な感覚は残るけれど、総じて上手な改変だと思います。映画ならではのサービスも忘れないし、監督の趣味を丸出しにすることも忘れない。水中から大型船が浮上してくるシーンはスクリーン表現用の大サービス。予告編でこれを見た時点で期待が高まるほどでした。監督本人も楽しそうにカメオ出演しているし、よい映画です。
 テレンス・スタンブ、なんかひさしぶりに見た気がするし、サミュエル・ジャクソンは最近こんな役ばっかり(笑)です。あと、全然関係ないはなしだけれど、ジェイクが彼なせいで終盤の巧みな戦い方はもうエンダーにしか見えない、というのはあれでした。そしてもちろん、エヴァ・グリーンのかっこよさ!!
 続編がいつごろになるかわかりませんが、できれば脚本監督は今回のままですすめてほしいものです。