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アサシン・クリード(ミライザーバンだったのか)

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 ゲーム未プレイ(アクション苦手なので)なのだけれど、予告編の ”Welcome to Spanish Inquisition” に惹かれてしまった(絶対関係ない)もので。三つの武器のかわりに、15世紀の武器がでてくる話でした。映画としてはある種地味な部類。見所はスクリーンを縦横無尽にとびまわるバルクールの技とレコンキスタ後のスペイン、という舞台にあります。後者については最低限の教養がないとたぶん全く楽しめないだろうと思うし、ゲームではこの時代と場所が舞台になったことはないみたいなので、そちらがわからのハードルは結果的に高かったかも。
 元々の設定として「DNAに記録された祖先の記憶」を再生する、というのがあります。無粋なことを考えちゃうけれど、「祖先全員の記憶」がDNAに保存されているの?とか、経験がDNAに書き込まれる、ということはセントラルドグマは無視しちゃうわけ?とか、まあそんな。これ、「肉体派のミライザーバン」ですよねえ。
 マイケル・ファスベンダーっていままであまり印象に残らなかった俳優さんなのだけれど今回はかっこよかったです。コティヤールもマリアンヌの時とちょっと雰囲気が違って良い感じ。テンプル騎士団が結果的に自分たちの敵対集団であるアサシンを現代に再生してしまう、というのが本編の物語でした。ガジェットとして「ヒトの自由意志」の象徴たる(つまり神への反逆の)エデンのりんごがでてくるのだけれど、そこには「ヒトの自由意思をコードするDNA配列」が記されており、それを読み解いて活用することで人類から自由意志をなくすことができる、と。生物学を適度に無視しているけれど、それはそれで物語が成立しているあたりが構成のうまさ、です。アニムスを使って自分のDNA中の記憶に出入りしているうちに祖先のスキルが自分の体にも定着していくこと、それをトラブルなくすすめるには「本人の自由意志で」参加しなくてはならないこと、など、絵作りにちゃんとつながるようになっていて、なんちゃらゴジラの作り手の人たちもこういうのから学んで欲しいなあ、と。
 あきらかに続編を想定したラストなのですが、さてそれだけの売り上げがあるでしょうか。バイオハザードが完結した今、こちらが続いてくれると楽しいけれどなあ。
 ちょっと面白かったのが音楽で、途中聞き覚えのある旋律がなんどもでてきて「?」となりました。曹洞宗のお勤めの際に背景で奏せられる旋律で、狙ってやったのだとすればちょっとおもしろいな、と。