マリアンヌ（ゼメキスのスパイ物）

　ラブロマンスじゃありません。スパイ物なので、アクションもきっちりしているし、ブラッド・ピットとマリオン・コティヤールのおしゃれなかけひきも楽しめます。スパイの宿命と裏切り、家族を持つ事とそこにかかる束縛、という、戦時下の小片を丁寧に物語にしました。派手なスパイアクション、というよりもきっちりと戦争物、です。ゼメキスだから、という部分とゼメキスなのに、という部分が混在していてそこも面白い。上手な、よい一本です。
　なによりも、今の時代にこういったおおがかりなドタバタ仕掛けのない佳作がつくられてきた、ということにちょっと驚きと安心を感じました。