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キングコング 髑髏島の巨神(知恵と勇気で戦うヒーロー)

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 みんな言っているように、「え?いまキングコング?」という感覚から始まったこの作品。制作途中で、前のゴジラ映画(もちろんギャレス版)と繋がるらしい、他の怪獣も出るらしい、とうとうのリークがきてじわじわと楽しみになり、主演がトム・ヒドルストンだというところで期待値がMAXに。いやあ、楽しかった。見たかった特撮怪獣映画はこれなんだよ、という感じです。いやもう、現代では真剣に怪獣ものはハリウッドに限るね。
 サミェエルジャクソンは、最近のいつもの役回り(言わせてもらえないけど(笑))、トムヒはかっこいい姿を見せる役(活躍はしない)、見せ場は行動派のヒロインがもっていきます。だってキングコングだから。キングコングだからヒロインはコングの手の中で運ばれるし。
 パンフにもあるのだけれど、セリフの中にMUTOがでてきて、おおっ!てなりますな。要するに未確認巨大陸生生物。今回は特に「地下空洞からやってくる」ってペルシダーではないですか。
 コングの強さ、怪獣たちの容赦のない強さ、ざくざくと死んでいく兵隊たち、うんうん、開田先生のポスターのまんまです。素晴らしい。そして、最近のヒーローにはめずらしくコングには飛び道具がありません。超音波も熱線もはかない代わり、素手と道具で戦います。そこにあるものを活用し、樹木の枝を落として武器にし、最後は船のスクリューでガンダムハンマー。そもそも、立ち姿や水を飲む様子から類人猿というよりもヒトの振る舞いなので、ここに霊長類最強ヒーローの誕生となりました。
 タコを生で食う際に足の先端を口からだしたまま歩き去る姿は昭和の酔っ払いです。すばらしい。字幕で「ガンペイ」になっていた日本兵、「軍平」なんですねえ。横井さんリスペクトかあ。
 ひとつだけ不満。ヒロインはメガネ付き(ズマロンかな)ライカM3を持ち込んで写真をとる戦場カメラマンなのですが、「フォーカスをあわせる」ファインダー内のシーンでやらかしちやってます。「ピントのぼやけた画像がだんだんシャープに合焦する」表現をやっちゃった。レンジファインダーのカメラでそれはないでしょうに…ここがちゃんと二重像合致式だったら完璧だったのになあ。

 さて、MONARCH機関です。本作が1973年、ゴジラが1999年から2014年。いずれにも存在する機関ということになります。ゴジラキングコングゴジラの時系列ですすめるなら今回のコングが「成長期」ということで数十年後にさらに成長した(シルバーバックになっていたらかっこいいな)キングコングの姿で戦うのかも。


 エンドクレジット後のサプライズ映像が、クレジット自体によってネタバレになっちゃっているのは数分のこととはいえちょっともったいない感じはしましたが、いややはり「あの鳴き声」で終わるとなるとどうしても次回作が楽しみでしかたがなくなります。ああよかった。面白いゴジラ映画をつくってくれる人がまだこの世界にはいたんだ。期待できる楽しみなゴジラ映画なんて何年ぶりだろう。

 あと、ジョン・グッドマン痩せたね。ダン・ギルロイ監督はナイトクローラー以来でした。