Anything Goes (again) ...

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ハードコアヘンリー(アイデアとQueenの勝利)

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 GoProが4Kを吐き出すようになったときにたぶん誰もが思いついたであろうことだけれど、実際にFPS視点で映画を一本とってしまう、というのはなかなか実行できることではなかった、ということですな。FPS視点のアクション、というものは、ただそれだけだとすぐにあきる短編にしかできなかっただろうところを、クローン、ゾンビ兵、超能力者、といったSFネタをうまく混ぜ込んで力技にしました。ディック的要素も含まれるしコプリーの怪演もとてもいい味をだしています。はじめのうちは「自分は何を見ているのか」が不透明なまま映像の勢いにのせられている感覚なのだけれど、種明かしが進むにつれてこんどは「遊び」の部分に目がいくようになっていって大量のオマージュやパロディを楽しめるようになっていく、というグリコスタイル。ところで、あれだけメカに置き換えられているのにアドレナリン効いちゃうんだ(笑)。
 やってることはバイオハザード(最初の)ですが、途中からバイオ5みたいな感じになってひょろひょろしたウェスカーもどきと戦ったりします。
 製作にベクマンベトフがかかわっている、というのがなるほど、という感じ。このひと、妙に癖のあるものに関わるよなあ。

 物語に深みとかはないけれど、現実崩壊型アイデンティテイ崩壊型SFとしての基本は抑えているしなにより動きのつなぎが上手なのであっという間でした。それにしてもQueenはでずっぱりですな。最近見た洋画三本全部に使われている。

 ところで、エンドクレジット中のセリフからは続編への色気がむんむんとつたわってくるのですが、今度は・360°カメラによる全編VR化、・IMAX4Dによる立体アトラクション型、といったあたりをやらかしてほしいものです。