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皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(なんでヨーグルトばっかり)

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 ダークヒーロー版ゾンビーバー(?)。イタリア映画です。泥臭いし派手さは少ないしきらびやかでもない。ヒーローを渇望する社会と、そこから落ちこぼれて行くもの達の物語。昭和のヒーロー物を見て育ったものとしては、虐待で心が壊れたアレッシアが鋼鉄ジーグを唯一の拠り所として精神のバランスを保とうとする姿はやけにリアルだし、なにもかもあきらめていたエンツォがそこから少しづつヒーローとしての自覚を目覚めさせて行く流れも十分なカタルシスを感じさせるもの。ただ、地味です。
 間違いなく見る人を選ぶ一本。自分は大満足したしサントラが欲しくてたまりません(サントラ、AppleMusicに入ってました。探しにくかった…)。
 監督は最初グレンダイザーで物語を考えていたのだとか。こういう系の翻案ヒーローを連作して、最後にはダイナミックプロ系列のジャスティスリーグやらないかしら。すごく見たい。グレンダイザーだって「イタリアに流れ着いたアジア系移民が自分を受け入れてくれた家族とその町をチャイニーズマフィアから守る為、故郷からこっそり持ってきていた暗器を駆使してニンジャとして戦う」とかでなんとかなるでしょう。同じように同郷の忍者が「他の暗器」を渡してくれて装備を変えながら戦う、とかで。
 地味なのだけれど、あとからもう一度見たくなってくる、そんな一本。イタリアが、ハリウッドとは異なる文脈で「ヒーロー」にたどり着いた、という素晴らしい作品です。