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西遊記2~妖怪の逆襲~ (「大作にはおまけがある」)

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 今回、チャウ・シンチーは制作・脚本にまわって監督はツイ・ハークでした。人魚姫をみそびれたので、事実上前作の西遊記以来、ということに。予告編見た感じでは前作よりもさらに派手になっている気配だし、吹き替えも気になる。続編、みたいな紹介だけど実質的にほとんどの俳優陣はいれかえだしそのあたりは例によって自由です。
 映像は色も動きも派手。ノリは軽くおばか。弟子たちは個性的な上、ちゃんと見せるところはかっこよ見せるし、三蔵の感じもうまい具合に原典のエピソードからバランスよくもってきてつくったな、と。ただ、このド派手な悪ノリサービスっていうのは観客との相性が前提だしなあ、とちょっぴり不安だったり(案の定、パンフレットありませんでした… またかいな…)。「はじまりのはじまり」もそうだったけど、いわゆる日本人に馴染みのある「西遊記」ではなく、少なくとも呉承恩西遊記くらいは読んでおかないと理解できない部分がある、というのは意外と敷居が高いのかもしれません。教養文庫の村上版くらいはたしなみとして読んでおきましょうね、と。
 三蔵法師がとてつもなくダメなのだけれど、最終的には仏の加護を受けていることからちゃんと見せ場を持つし、悟空の戦い方もなかなか「わかってる」作り方で、こりゃ特撮系もそのうち中国がやらかしそうだな、と。悟空が三蔵に頭が上がらない理由が「躍らせる歌」と「如来真拳(カンフーハッスルのときは真掌だった)」なわけですが、九宮真人の仏(たち(笑))の入り乱れた巨大バトルといい、紅孩児の戦いっぷりといい(三昧真火も使う)、おなかいっぱいであります。
 ところどころオマージュ元がほの見えているのも味わいですな。チキチキバンバンとか。俳優陣もほぼ総入れ替えなのだけれど、きちんと続編になっているあたり、雰囲気がうまいのだなあ。

 チャウ・シンチーは制作脚本なのだけれど、前作「はじまりのはじまり」と違っておまけ的にちょろりと出てきます。そう、「大作にはおまけがある」ので。

 それにしても、パンフレットのない映画、これで今年六本目とは…

(追記)
 なんとか劇場を探して吹き替えをみることができました。たった一週間で激減する公開劇場… タイミングが悪かったのか、今回は鳥山明が宣伝しなかったからなのか…
 吹き替えの訳は悪ふざけというか悪ノリも含めてなかなか達者です。如来真拳が「如来ゴッドハンド」になっているのは最初?となったのですが、セリフの中にGガンネタを発見にしてにやり。とはいえ、三昧真火とか照魔鏡あたりは原語のままでよかったような気もします。吹き替えは実力者で固められているので聞いていても安心。