オリエント急行殺人事件（映像の美しさと俳優の贅沢さ）

　ケネス・ブラナーのポワロはなかなかの発明品かもしれません。「アクションありのポワロ」です。そして、やたらと強いあの杖。風景を含めて映像がとても美しいのも良いです。なんともおしゃれ。そして、俳優陣が贅を極めているのでその美しい背景に負けていません。癖の強いキャラクターのせめぎ合いも見事。なにより、ジョニー・デップが楽しそうなのが良い。ジョシュ・ギャッドもなかなか良い味を出しています。内容的に今回は歌いませんが。
　物語としては、なにをどうしてもアガサ・クリスティーなので、今の目線からだと古風なのは確か。その分を補うための贅沢だったのかもしれません。個人的には、それは成功していると思います。
　次はナイル、ということでそれも楽しみだけれど、今回並みのインパクトのある俳優陣を揃えられるのかどうか、というところからかしら。