Anything Goes (again) ...

Yahooブログから移りました

ブラックパンサー(アメリカでの黒人差別意識を基底とした物語)

イメージ 1

 黒人差別の理不尽さがベースです。なので、ワカンダという国に対して「農業国が何を?」と問いかける国連の場が本編の全て。アベンジャーズがもう来月なのでバッキーもあっさり解凍されていました。しかし、ヴィヴラニウムっていつからこんななんでもあり鉱石になっちゃったのやら… というか、アメコミの流れ的にはこっちのほうが先、といえなくもないわけで、もう、MCUの内包するいろいろなごちゃごちゃの一つ、なのでしょう。
 シェイプオブウォーターしかり、偶然タイミング的に近いところで差別をテーマに内包する作品が並んだわけですが、グレイテスト・ショーマンが一人おいてかれた感じです。ブラックパンサーでは、それは影どころではなく作品の根幹にかかわっているけれど、直接にはさわらない背景に埋まっているので日本人にはちょっと理解がきついかもしれない。なので、基本的には地味です。ワカンダにおけるヴィヴラニウムの謎も触れられていないので外から眺める物語のままですし。過去に、ワカンダに降ってきた「何か」の話は、アベンジャーズまでお預け、なのでしょう。ジャパニウム鉱石の秘密については次回、みたいな。ところで、あのハーブ、燃やした挙句最後の一つも飲んじゃったけれど、ヴィヴラニウム鉱石があれば再生しそう。あるいは鉱床の大元にあるストーンを回収することでヴィヴラニウム自体の産出が終わる、とか。
 もうひとつ、ワカンダの運営と内紛がもうひとつのテーマですが、これが結構ひどくて、国の中央部さえよければそれでいい、みたいな「文化」を代々くりひろげたことになっています。あげくの果てに帰ってきた王位継承者が正式な決闘で王位を得たのに国賊扱い。いや、あんたたち、そういうとこやぞ、という最近の流行り言葉の一つも出てしまいます。過去の清算と革命と再生産を映画一本に納めるための苦肉の策だったのでしょうけれど。
 MCUとしては、CIAのロスとラストパートで解凍済みのバッキー、いつものスタン爺さん。アベンジャーズから引き続き参加しているアンディ・サーキスが良い存在感を示してくれます。特にアンディ、途中退場がもったいない。もっと俳優としての出演作が増えると良いのですが。
 とりあえず、妹さんのラボに遊びに来てはしゃぎまくる社長とか、そこで社長がつくった大量の追加謎機能をつけまくった楯を渡されて困惑するキャップとか早く見たいです。

 あ、あと不安要因だった「宣伝で使われた日本語のラップもどき」は本編にはでてこないので安心してください。