Anything Goes (again) ...

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レディ プレイヤーワン(趣味のスピルバーグ)

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 ペンタゴン・ペーパーズに続くスビルバーグ作品。最初はあまり興味がなかったのだけれど、予告編にデペッシュモードがかかってしまった以上、本編でもちゃんと使われているかどうかを確かめねばなりません。あと、ネットの噂で、「ラストは主人公がガンダムで無双する」というのが本当かどうか気になったり。

 さて、まずこれは「21世紀の1941」です。なので、映画をつかってブンカジンやテツガクを気取りたい人にはむいていません。そういうひとは、どうぞミニシアターにかかるセージ的ホーガあたりを味噌汁すすりながらご覧ください。この映画には「およびでない」、ですから。

 これは、映画好きによる映画好きのための贅沢ななんでもありな悪ノリおもちゃ箱。スピルバーグが自分の好きなものを今の名声と実力で大量に好き勝手ぶちこんだごった煮です。いわば悪ノリなんです。数多のヒーローやガンダム、機龍はいわずもがな。ギャラクティカにバリーフォージ、バカルーバンザイ。そして、シャイニング!! 映像的にはオーバールックホテルのリメイクですらあります。あの冒頭の音楽からラストまでを一気に駆け抜けていくシャイニングワールド。それを見せるためにメインキャラに一人「シャイニングを見たことがない」「ホラーが苦手」なものを配置する、という巧妙さ。

 一瞬、1941のメインテーマがかかります。すぐに消えてしまうけれど、その瞬間に、ああ、これはスピルバーグのおもちゃ箱なんだ、と確信できます。

 もちろん、ジュブナイルなので悪人といっても小悪党だし、アルテミスがリアルでもかわいい女の子だったりとかのご都合主義もあるけれど、おもちゃ箱ですから。おばさんとそのヒモが爆弾で吹き飛ばされるシーン、あれはTimeBanditに思えるし、当たり前のようにホーリーグレイルが威力を発揮する世界です。そういえばホーリーグレイルも「リアルが乱入する」ラストでした。リアルこそが、リアル。

 ちょっと困るのがパンフレットで、原作なのか映画のことなのかが不明瞭な部分が多すぎ。「映画の」パンフレットとして作ってほしいものです。