Anything Goes (again) ...

Yahooブログから移りました

Konan16 Automat (オリジナルの存在感)

イメージ 1

 1950年。ミノルタ16シリーズの始祖、つまり世界でもっとも多くの子孫を生み出した16mmカメラです。正確にはこの前に1947年のミカ オートマットというのがありますが、オークションでもみかけたことがありません(Konan16とほとんど同じだとのこと)。Konan16は甲南カメラ研究所と千代田光学の共同で売られていたものです。なのでレンズはRokkor。フィルムマガジンが金属製、シャッター付きの独自形式です。この感じ、Yashica16ってこの路線を目指したのだろうか、と思わせます。とにかく金属でずっしり。フラッシュシンクロの有無でバリエーションがあるようです。青、緑、赤の色バリエーション展開とか、警察用の黒バージョンとかもあったのだとか。さらに52年にはステレオ写真バージョン(横に二台繋げた感じ)も出ていたり、と結構冒険してます。どうもいろいろ調べていてもミカオートマットとコーナン16との相違点とか、コーナン16とコーナン16オートマットの違いとか、コーナン16IIというモデルのこととか、わからないことがあります。光画月刊とか写真工業あたりを掘っていけばなにかわかりそうなのですが。

 後のMinolta16とは似ているようで結構違っていて、シャッターダイヤルと絞りがボディの上面に配置されていたりします。つまり、ボディをスライドさせてあけないとシャッターや絞りをかえられない。その時にはフィルムは一コマ送られている、という。しかも、あけるのに結構力がいるのでその際にダイヤルが動いてしまったりすることもある。シャッターはBから1/200まであり、しかもこのBというのが「ボタンの押し方でT的にも使える」という懲りよう。しかしなんといっても「マガジン交換式」というのが最大の個性かもしれません。マガジンにシャッターがついていて撮影途中でのフィルムの切り替えができます、という(そのわりにはマガジンの蓋がロックされないので交換する時に蓋をあけてしまいそうになりますが)。また、マガジンを含めた真鍮の存在感が強烈です。とにかく「ずっしり」。Minolta16を持った時もずっしり感はあったのですが、Konan16を持った後だとあれは「軽量化の成功」であったことがよくわかります。これ、普段使いで持ち歩くとなると相当気を遣わなきゃならないんじゃないかしら。ステレオコーナンというのもでていたらしいけれど、このコーナン16を二台連結していたということだからフィルムとシャッターのチャージにすさまじい力が必要だったのでは、と心配してしまいます。

 手元のモデルはシャッターのチャージに少し抵抗があるので注意、ということと、「フィルムマガジンのシャッターが開かない」(カメラ内の連動がうまくいっていない)、というトラブルがあり、ちゃんと撮影できるようになるまで少し試行錯誤しました。結論として、ミノルタが採用したカセットマガジンは「一コマ無駄になる」ことを覚悟すればコーナン16と同様に撮影途中でのフィルム交換もできる。わけで、そういう方向に進んだのだなあ、と。

 ところでこのKonan16、ちょっとした縁があって自分の初mercariでした。オークション等の相場とはまた違った値がついている上、時折驚くような出物もあるのであなどれないな、という感想。
イメージ 2