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レモンティー現像(大量の紅茶が必要)

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 お茶による現像、という意味では「緑茶現像」というものがあるようなのですが該当する号の写真工業がまだ入手できません。ただ、「没食子酸のアルカリ溶液は還元力が強く写真の現像にも用いられる」という記述を発見。だとすると、コーヒー現像の際には働いている還元剤はハイドロキノンだけではないのかもしれません。また、これは同時に「お茶」による現像の背景ともなっていそうな、とか、いやそれ単にカロタイプじゃないの、とか。タルボットは酸性の溶液で現像していたわけですが。ようするに日本茶や紅茶も同様に現像の主剤足りうる、ということでしょう。
 つまり、フェノール類ほかハイドロキノンとビタミンCがはいっていて、pHをアルカリに調整してあればとりあえず現像はできる、というのであれば紅茶だってできるはず。紅茶にビタミンCをいれる、というのは、ようするにレモンティでしょ、というこれまた安直な発想です。とはいえ、コーヒーと違って紅茶の場合は濃くすることが容易ではありません。そこで、粉末タイプのインスタントティーをコーヒーのかわりに使ってみることにしました。「紅茶には世界的に認められている、ハイドロキノンという美白成分が入っており、肌のシミやそばかす、色ムラを改善してくれる効果を持っています」なんて文言もネットにはあります(笑)。国内の文献ではなかなかでてこないのだけれどPubMedあたりから探して見ると紅茶にはコーヒーの半分前後のハイドロキノン含量、という見当。ちなみに、人体に影響のあるハイドロキノン曝露源としては「タバコの煙」の影響も指摘されているので、「ハイドロキノンの危険性」を気にする人は喫煙してはいけないし、喫煙者の近くに寄ってもいけませんよ。
 と、いうわけでCCHにおけるコーヒーの倍量を目安としてインスタントティーを入れてみることに。まず、いつもの期限切れTri-X、いつものCCH処方で、コーヒ8gのかわりに、倍量として紅茶粉末16gを投入。紅茶のほうにレモン成分が入っているはずなので、紅茶投入前のpHを試験紙で確認し、溶かした後のpHを再チェック(ほとんどかわっていなかったのでそのまま進めましたが)。で、1回目は失敗しました。どうなったかというと、ほぼ完全にすっぽぬけ。フィルムの感光部分まで透明に抜け落ちていました。こりゃカブリ防止とか必要ないかも。ただ、よーく見て見ると若干の画像がうっすらとでていなくもないかな、という気配。なので、2回目はブロムカリをとりやめてCCMに戻し、紅茶をさらに倍にして36g使いました。つまり、200ml中に炭酸ナトリウム10.8g、ビタミンC3.2g、紅茶36g(!)で、前浴5分、現像15分、水洗3回、定着、という流れ。

 結果として、現像はできました。ただ、この条件ではまだ像が薄いです。さらに改善するとすれば、

・現像時間の延長、
・紅茶量の増量、
・紅茶をインスタントではなく茶葉から高温高圧で抽出して使う、

 あたりでしょうか。カルディの濃縮紅茶で試す、というのもありかもしれません。

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