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TYNAR 16mm(アメリカン メイド)

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 1950年のモデル。当時の雑誌広告の ”With Lifetime Supply of Free Film for Camera!” に震えます。さすがにもうやっていないのだろうけれど、現像代を払ってフィルムを送れば現像済みのネガ、プリント、新しいフイルム一本を送り返してくれるというサービスをしていたようです。 ”American Made Miniture Camera” とか、「輸入モデルは値段が8倍」みたいな表記(たぶん時期的にステキーやマミヤを意識している)とか、興味深いです。
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 この機種、ヤフオクで初遭遇。その時は競り負けたのですがのちにeBayでミニカメラつめあわせみたいなものを落札した際に入手。その後マガジン付きフィルムもeBayで入手しました。説明書等はwebでさがせばPDFがあるのですが、構えた様子とかたぶんリコーのステキーを意識してますやっぱり。ただ、ステキーに比べれば随分とシンプルな構造ですが。アメリカ製ではMiniute16とよく似た形をしています。巻き上げ方式が違う以外は外見の差はあまりないくらい。

 届いた本体は巻き上げも固く、いまひとつな感じ。でも、側面のバネルをひらいてみたらどうやら抵抗があるだけみたいなので、オイルスプレーで各部をなじませたところ普通に動くようになりました。機構がシンプルと言うかなんというかアメリカっぽいです。別枠で入手したフィルムカセットは金属製の小さなもの。パッケージもついてたので当時の「現像サービス」のための用紙なんかもあります。カセットが不用意に開かないようにしている帯状の留め金をはずし、巻き上げ側にフイルムを貼り付け、フィルム圧板代わりの黒い板(紙かな)の手前にはさむようにフィルムをセットします。供給側は単にまいていれてあるだけ、です。このカセット、ちょっと設計に残念なところがありまして…デザイン上、圧板前の窓部分にはフィルムの膜面がこないといけないわけですが、そうすると「フィルムの巻きグセと逆に巻かなければならない」のであります。うーん、これはめんどくさい。さに、遮光用の黒紙がカートリッジの内側にぐるりと配置されているのだけれど、これが巻き上げの時にフィルムといっしょに動いてひっかかったりします。実は他の部分にもいろいろとあって、外側のパネルも鋳物の精度は悪くないのでぴったりとおさまるのですが、ロック機構がないためにテープかなにかでとめておかないと持ち運んでいるときに勝手にあいていたりする、とか、ようするにあちこちが「もう一息」なのです。なんというか、「うん、アメリカっぽいな」となるし、こりゃ当時日本製の16mmカメラが売れたわけだなあ、と。さらに問題なのは、カートリッジの巻き上げ軸をカメラ本体の軸とちゃんと嚙みあわせるのが難しかったりもします。溝があまり深くないので、巻き上げたつもりでもちゃんと巻けていなかったり。そして、巻き上げられているかどうか、については巻き上げ時の手応え以外に判断の材料はありません。つらい。

 現像してみたらこんどはピントがずれていました。固定焦点のカメラなので、これは調整しないとどうにもなりません。シャッターをなんとか開放にして、フィルム面にスクリーンを置いて、となるとちょっと手間なのでどうしようか迷っています…
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