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Whittaker Micro 16 Pixie (こりずにまたアメリカンメイド)

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 1950年のモデルです。なにやら日本製のCroma Color 16 と Mykro Fine Color 16に影響を与えた、とあるけれど、どちらも知らないなあ。メーカーのWm. R. Whittaker, Ltd.というのはすでに紹介したmicro16を作ったところです。micro16はやたらと凝ったメカニズムでしたがこちらは比較的シンプルなプラスチック製。レンズはf6.3、f8、f16の切り替え式。シャッターも1/50の単速、おもちゃみたいな雰囲気ですが、フィルムは専用マガジンににつめるタイプです。その小ささを生かして腕時計みたいに手首につけるストラップもでていたそうな。マニュアルにある "Pixie is America's First Magazine-Load Still Camera" の表現が泣かせます。たぶん、TYNARと同年なのだけれど、マガジン蓋を締めることで使用途中のフィルムの交換ができる、というのが売りです。あれ?つまりコーナン16と喧嘩していたわけですね。
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 さて、届いたものは本体、マガジン、リストストラップ(腕時計みたいにつけるためのもの)、ソフトケース、プラスチックケース、というセットです。シャッターは単にレバーを下げるだけ。巻き上げと連動とかはしません。巻き上げは左のダイヤルを目盛りを見ながら半回転。こちらもコマストップとかはありません。実にシンプル。そして体積の大半がフィルムマガジンで、たぶん、このマガジンこそが本体なのです。

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 で、このマガジンがまたしても曲者で、外周に金属板のシャッターがついていて、これを外側から動かすことで蓋をしめることができるようになっています。マガジンは、上下パーツ、蓋用金属板、巻き上げ軸、圧板で構成されていてわりと複雑。巻き上げ軸には上下があって、正しい方向でセットしないと巻き上げができません。こういうの、どちらでもいけるように設計してくれないあたり、アメリカンです。さらに、圧板と蓋のせいでダークバック内でのてさぐりセットが面倒臭い。さらに、フィルムの膜面が奥まった位置にくる設計なので「蓋をしないとマガジンの前部から光線を引く」ようにできています。どうしてシンブルにしないのかなあ。これ、自分でフィルムを巻きこむことをあまり考えていません。マガジンごと新しいのを買ってね、という戦略です。もう、面倒なので蓋の金属板と圧板はなかったことにしてとりあえず試しに使ってみることにします。

 で、これがまた使いにくいのなんのって(笑)。ファインダーめいた部分は飾りみたいなもんです。あげくのはてにピントがぼける、という。やっぱりカメラはメイドインジャパンに限る、という落語のようなお話。
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