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サイアノタイプ(昔懐かし日光写真)

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 日光写真、というのは子供の頃の雑誌の付録の定番でした。ついてくるマスクと感光紙を重ねて太陽光にあて、水で洗うと青い反転画像ができる、というもの。だいたいはキャラクターのネガ(?)がついてきていたものです。単純なのだけれど妙に楽しくて、付録についてくると毎回遊んでいました。さて、これについて調べてみるとサイアノタイプというらしい。いわゆる「青写真」のことです。銀でなく鉄を使い、プルシアンブルーの生成によって青い画像をつくりだす。1835年にまで遡るとのこと。
 で、やってみようと考えると意外と簡単そうなのです(ほんとに?)。ポイントは感光紙ですが、これはクエン酸鉄(III)アンモニウムフェリシアン化カリでつくれる、と。例によって手持ちのない試薬は森本化成さんに発注。

 感光剤には、25% クエン酸アンモニウム 水溶液と、10% フェリシアン化カリ 水溶液をそれぞれ、40ml分作成。必要量だけをスポイトで混ぜ、画材屋で購入してきたスケッチブック紙に刷毛塗りして、ボードにピンで止めて乾燥。 二液を混ぜると強烈な青となってちょっと焦ります。この作業、そんなに厳密ではなさそうですが、仕上がりに気を遣うならばできるだけ暗所でやったほうが良いみたいです。
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 さて、日光写真ならばネガを用意しなくてはなりません。大きくわけて120などで「大きなネガをつくる」(6×9でつくるとか)、手持ちのネガをとりこんでOHPに出力する、あたりでしょうか。とりあえず、今回用意したのは中版モノクロネガ。イコンタコピーのモスクワでつくりました。このモスクワ、ドレイカイルによる距離計連動も含めてきちんと(?)イコンタ530/2のコピーで、ちゃんと仕事のできる子です。オリジナルのイコンタは大事にしまって、遊ぶ時はもっちぱらこっちを連れ出しています。これで街中で風景撮っていたら見知らぬおじさんに「すごい古いの使ってるねえ」と話しかけられ、そのまましばらくカメラ談義をしたり、とかのおまけイベントあり(笑)。まあ、構えていると目立つのは確かです。
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 暗所で乾燥した感光紙をガラス板でネガとサンドイッチして晴天下で15分ほど。この状態ではまだネガのままです。
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 で、これをしばらく流水で洗い続けると像が反転していきます。なるほど、懐かしの感じ。それが冒頭の写真。薄めたオキシドールコントラストが高まる、という話もありますが、とりあえずただ水洗しただけでこんな感じです。画像の解像度が荒いのはたぶん感光紙として用いる紙の性質によるものでしょう。感光剤の処方もいろいろとバリエーションがありますし、潜り始めれば相当深い沼が待ち構えていそうです。