Anything Goes (again) ...

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「シャーロック」(Well, say hello to the virus. 中身はメリーポピンズの裏)

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 制作の例の二人、ヴィクトリア朝再現で贅沢にやりたい放題やりちらかしてます。楽しかっただろうなあ。もともとテレビシリーズの特別編なので90分枠。なので、映画一本分にするために前後にインタビューや舞台裏のサービス映像付き。よもやいないとは思うけれどこれ、テレビシリーズ見ていない人にはなにがなにやらさっぱりわからない代物であります。逆に、その流れで見るならば実にサービス満点な一本。「ファンサービス」で全てを語り終わってしまう、ということでもあるけれど。
 時間軸はシーズン3ラストのあの数分間の出来事、ですが、そこにマインドパレスをからめたことでSF的時空間のからみが生じていくあたり、ディック的な展開は実に自分好みでありました。過去と現在、精神世界と現実、それらが相互にからみあい影響しつつじわじわと新たなシーズン4に近づいていく。
 モリアーティの位置付けと再登場がどういうかたちになるのか、宣伝効果は抜群です。これは新シリーズが楽しみでしかたなくなる。
 さて、
 いつ頃からか「映画」と「テレピ」との間の画質の差が縮まってきたわけです。「ブルーレイ上映」なんてものもあるくらいだし、変に上下をマスクされた映画を見るくらいなら自宅の大画面の方がきれいかもしれない。映画館を中継でつないだ生イベントなんてものもある。その結果、「テレビ用」の映像もそのままスクリーンにかけられる時代になりました。「BBCの年末特番」を、各国のテレビに乗せる手間暇よりは、たぶん「映画として期間限定公開」にしたほうがペイする(たぶんずっと儲かる)、という大人の事情も。
 それを「本来ならただでみられたはずが」と怒るのも自由だし、「大画面の映画館という場所で体験する」ことに価値を見出すのも自由です。個人的には「映画館が好き」なのでこれは「あり」。
 ただですね。
 「イベント上映扱い」だから「バンフレットはなし」だけど「グッズはいろいろつくったよ」というのは納得がいかないのですよ。イベント上映と言っても、デジモンtriやヤマト2199とは違って、きちんとムビチケもつくって事前展開したわけではないですか。アニメのイベント上映でも、ちゃんとグッズと一緒にパンフレットもあるのに。これ、「シャーロックのファンなんてどうせグッズは買ってもパンフレットなんかかわないんだろ」という配給の決め付けがあるように感じられて不愉快です。(単に自分がパンフレットを欲しかった、からだけど)コストかかるからというのなら、ミラーマンReflexの時みたいに「ポスターを畳んだだけ」の奴でもいいんですよ。
 元がテレビ特番だったとしても、「映画っぽく」公開するのだからパンフレットも含めて「映画っぽく」騙して欲しかった。それが不満点です。