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モアナと伝説の海(日本版予告編は例によってまったく)

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 丁寧な神話譚。世界の創成と半神と人の物語。こういうのを自然を背景にしてつくるとディズニーはうまいです。しかもそこに「一族の長としての義務」「親からのネグレクト」ネタなんかも巧妙に隠していたり。せっかくだからザ・ロックが歌うのを聞きたくて字幕のある箱まででかけました。マウイの外見に文句つけている人がいたけれど、あれがイケメンだっら物語として随分下品になってしまいかねないのになあ。
 神話譚における人と神との関わりの物語なので、ストーリーはきわめてシンプルです。神話を美しくあらわすのに不可欠な自然描写も完璧。海といい玄武岩の柱状摂理といい文句なし。ココナツたちとの戦いはもろに海のMadMaxだし、なにより瀑布の奥から船がでてくるシーンだけで大満足です。マウイが首からさげているメガロドンの歯がなかなか良いサイズの上エナメル質もセレーションもきれいなのがうらやましかったり、その脇のほうに下がっている三根の臼歯がなにか気になったり、エンドクレジットにでてくるシュモクザメの口がどうみてもアノマロカリスだったり、と楽しいことだらけ。
 刺青マウイがジーニー的でかわいいと思っていたら同じデザイナーさんだったり。あと蟹(笑)。

 今回のおまけショートアニメはここのところずっとはずればかりだったディズニーらしからぬ良い出来だったのも好印象です。それにしても、よくまあこの映画にあんな予告編をはりつけたもんだよなあ…集客さえできれば、事前の作品の印象が現物と乖離していてもかまわない、というのは業界が先細るだけなのではなかろうか…アナ雪だって「ありのまま」という本編の物語と真逆のフレーズが一人歩きしちゃっているのとか、だめだめだとおもうのだけれど。

 ところでモアナ村長、あなたのせいで次の代の村長は積む時に苦労するんじゃありません?おかあさん、恨まれますよ?