Anything Goes (again) ...

Yahooブログから移りました

Sekonic L-28c (名前がStudio Deluxeになった)

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 1964年のセコニックStudio Deluxe。時期的にL-28AとL-28A2に挟まれたモデルです。このあと、1989年のL-398MがStudio Deluxe IIを名乗るまで、「Studio Deluxe」というモデルが複数出てくることになります。Sとの関係もなぞ。中央にストップボタンがつきました。

 あと、AとCはあるのにL-28Bというモデルについては名前を聞かないのだけれど、存在しないのかしら…

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Studio S  の後期型(Sekonicの名前が表に出る)

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 Sekonic Studio Sの Model-S No. K、という名称です。文字盤からBrookwayの名前が消えてSekonicになりました。また、文字盤自体が黒字になって視認性も向上。

 

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 「Model K」という表記以外に前期のSとの名称の区別はありません。また、おそらくはそうであったであろう「L-28」というナンバーもどこにもなし。「K」は何のKなのだろう…

 次のモデルとなるL-28Cが1964年なので、初期型発売の1957年からの間で色々と決まったのかもしれません。

Norwood Director Model-C(スタデラのさらにご先祖)

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 Norwood DirectorのModelCというものを入手しました。NorwoodのDirectorは、1948年のModelBからこの形になっています。したがって、スタデラの源流たるべき開祖はModelBなのですが、その2年後、1950年のマイナーチェンジ版がこのModelC。まだ、セコニックと提携する前なのでMade In USAです。この後、ModelD、M2、と続いてSekonic ModelSに至るようです。 

 スタデラの外観その他はこの時点で完成していることがわかります。現行の398Aと比べても、センサーの材質、ストップボタンの扱いくらいしか変化はありません。文字盤については何度もマイナーチェンジがなされていくのですが、ライトフート値で読み取る、という大原則がそのままなので、表示範囲の拡大やデザイン的な見やすさなどの変化です。後のモデルに比べるとかえってこのModelCの文字盤の方がシンプで見やすい、ということもありそうです。

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 70年以上昔の露出計ですが、しっかりと針は動くし実用できます。面白いのは、「穴の空いていないスリット」が刺さっていたことで、もしかするとこれでセンサーの劣化を防いでいたのかもしれません。それ以外は、全くもってスタデラです。

Ai Fisheye Nikkor Auto 8mm F2.8 (本物の魚眼レンズ)

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 ずっと前から欲しかった(6mmなんて贅沢は言いません)円周魚眼をようやく入手。Aiになっているマウントなので、そのままD3で使えます。正面から見るとD3の姿はレンズに隠れて見えません。このほれぼれ(ひやひや)する先玉の存在感。学部の頃、生態学の研究室が使っているのを見て欲しくなったレンズでした。ニッコール最初のインナーフォーカス、ということなので、昆虫で随分お世話になったマイクロ200mmのご先祖様、みたいな性質もあります。このレンズの先代にあたるミラーアップが必要な魚眼は、HAL9000のレンズにも採用された、ということでも有名かも。
 魚眼レンズと呼ばれるレンズというと、多くは対角線方向180度視野、で、そちらにはあまり食指が動かなかったのです。やはり、円周じゃないと。このレンズについてはなぜかあまりネットでの情報も多くありません。まあ、極端なレンズだから仕方がない。資料としては写真工業の1970年6月号にある製品紹介、そして、同じく写真工業の2006年9月号、根本泰人氏の「特別レポート 驚異のニッコール魚眼レンズ総特集」あたりが詳細です。特に後者は極めて詳しい資料となっています。

 さてこのレンズ、開放測光が働くので、使い方は普通のマニュアルフォーカスのレンズと一緒、なのだけれど、やはり独特の注意点があります。

・先玉注意! どこかに先玉をこすったりしたらおしまいです。ぎりぎりまでレンズカバーをつけておくのがよいかもしれない。むき出しのまま肩から下げるなんてもってのほか。
・重量注意! 三脚に立てる、ということはレンズの性質上頻繁におこるわけですが、雲台の固定は念入りに確認しましょう。ガクン、となって倒れたりしたら目も当てられません。
・ピント注意! 開放F2.8と明るいのですが、なかなかピントの確認が難しいのです。ファインダー内でも当然、外周のケラれた円形の像が見えるわけですが、像自体が小さいので目視でピントを合わせるのが難しい。拡大してフォーカスチェック、マグニファイヤー活用、いっそのこと距離目盛り優先で、みたいな。フォーカスガイドのある機種なら楽かも。マウントアダプターでAXにつかないかなあ。
・画角注意! よく言われることですが、少し気をぬくと自分の足が映り込みます。カメラを水平に構えていても位置によっては。ファインダーの下を常に注意しないといけません。あと、水平垂直に少し振るだけで視野の感じがガラリと変わります。

 

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 これで星野写真を撮るのが楽しみ。

 

P.S. 

 D3のフォーカスエイドを使って見ているのだけれど、合焦インジケーターの範囲が広い気がする…どれくらいあてになるものやら、という感じです。

 晴天で太陽を視野に入れるとこんな感じ。古いレンズだけど結構頑張ってる気がする。

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MacBookPro 15' 2018のバッテリートラブル(Appleのお世話になりました)

 ある朝、職場でメールを確認しようとした時に、Macががたつくのです。15インチのキーボードの上に液タブをおいているのだけどそれもなにやら不安定。嫌な予感がして側面から覗いてみたらこの有様でした… これ、2018年モデルを発売と同時に購入したので購入して二年弱、です。(7月末でまる二年丁度)

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 まあ風通しの良いこと。

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 完全にバッテリーの膨張じゃないですか。一応、「きれいに底板が膨らんだ」ことで浮き上がってくれたらしく、この姿でも動作には特に問題はありません。が、ZOOMなんかでの出番も多いこのご時世、このまま使い続けて爆発でもされたら困る(どころではない)ので、とにかくAppleのサポートに連絡。チャットで相談、ということをしました。修理受付で見積もりも依頼したところ、「技術者によれば無償で対応できそう」(ありがたい!)という事でそのままお願いすることに。以前は、パスワードを解除しておくように、といわれたのだけれど今回は管理者アカウントをもう一つつくっておくように、とか。で、そのまま職場に黒ネコさんが引き取りに来ることになりました。(PC用の梱包材も用意される、ことになっていたのだけど黒ネコさんにその在庫がないとのことで、引き取りが遅れるのも困るから購入時の化粧箱で送り出したり)

 修理の間、家で使っていた17インチのMBPLate2011に職場復帰をしてもらい、家での作業はiPadProに任せました。そもそも、このMBP2018は新しいOSがLate2011では動かないからという理由で購入したので、ピンチヒッターの古いOSとの違いに少しとまどいました。思った以上にTouch Barを自分は使っていたのだな、と気が付いたり(すでに、これがないと不便です)。そういえば定期的に液タブのペンが認識されなくなる現象、Late2011のHighSierraだと起きないんだよなあ。Catalinaの問題だったのか…


 修理ステータスを確認していると、引き取られた翌日の朝には受け取りの記述。その数日後に部品発注、そのまま一週間経過し、ある日突然「修理完了」の文字。送り出してから大体10日後には手元に戻って来ました。バッテリー膨張による「トップケースとバッテリー」の交換、ということで、それ以外は「そのまま」。SSDの初期化もされていないので、繋いだらすぐに元どおり、です。とてもありがたい。送り出した時の化粧箱は帰ってこない代わりに黒ネコさんのPC BOX段ボールに入ってきました。リンゴマークのクリアファイルもついてきたから、クリアファイラーとしてはこれでよしとしましょう。

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 Appleはこういう時の対応がとても丁寧で迅速なのがありがたいです。ピンチヒッターとして活躍してくれた17インチのLate2011はせっかくなので裏蓋を開けて掃除、ファンのグリスアップをしてから帰宅。自宅用に戻ったのでありました。

MEC16SB(「世界初」の個性)

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 先代のMec16は露出計なしで1956年に発売されていました。そして、SBが1960年。このクラスで初のゴッセン製TTL露出計を備える、という豪華なやつ。しかも、内蔵TTL露出計、という意味でも世界初。(PentaxSPプロトタイプの発表が同年。トプコンREスーパーが3年後)シャッターもフォーカルプレーン型で1/1000まであります。Wikiではシングル孔、ダブル孔両方で使える、とあるけれど、ネットで見ているとそのままではシングル孔は辛そうな気配。マガジンはMicro16と互換性がある、とのことだけれど、これも「ものによっては」、という感じらしい。RADAも使える(少し小さいけど)、という記述もあるので、要は爪でフイルムを送るので、マガジン部分はフイルムがおさまればなんとかなる、感じなのでしょう。それに、色々見ているとダークバッグを前提とすればそもそもマガジンいらないんじゃないの?という気もする。

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 本体の角に位置するゴッセンのTTL露出計。残念ながら不動なので、マニュアル機として試します。レンズはローデンシュトックのヘリゴン22mmf2。距離計は付いていないので目測です。興味深いのは、距離目盛りの最小が1feet。付属のチェーンがほぼ30cm。つまり、最短距離のゲージがわりのチェーンです。ミノックスみたい。ボディ下面の三脚穴のそばにはフィルターセット用の溝があります。ここにはUVフィルターが入っていました。

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 両穴16mmフイルム対応、ということなので先日購入したこれを。映画用だからなのか、ベースがとても薄いです。ダークバッグの中での手触りが異質。さらに、薄いためにマガジンに「押し込む」のに苦労します。フイルムの先端の角を落とし、曲げ癖をつけて受け側のマガジンに少し差し込んだ状態でカメラにセット、するのですが、この時、フイルムゲートの下側にきちんと押し込まないと、上部の爪に引っかかってフイルムが送られません。とりあえず、試しに巻き上げて送られることを確認したほうがよさそう。さらに、受け側マガジンにきちんと送り込まれない、と言うことも起こります。その場合、マガジン手前でくちゃくちゃになった悲しいフイルムの姿を見る羽目になる…ので、この辺りもお試しが必要。最悪の場合、フイルムの取り出しはダークバッグで行うことにして、「受け側マガジンを使わない」という手段もあります。まあ、送り側も受け側もRADAカセットを使う、というのが精神の健康によさそう、かなあ。

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 フイルム送りについては http://www.crane.gr.jp/toy/MEC16SB/index.html の情報を参考にさせていただきました。ここ、詳細でとても役に立ちます。ありがとうございます。

 使用にあたっての注意点はフイルムカウンター。これが0になると巻き上げもシャッターも動きません。(ダイヤルで数字を動かせば動くようになります)全体的な使用感はなかなか良く、ちゃんとした機械、と言う手応えがあります。フイルムマガジン関係がもう少し使い良くできれば気持ちよく使えそう。

 

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D76,1:1で。

Minox ECX(一応、最後のMinox)

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 1998年、MinoxECの最終形。「最後の」と言っても正確にはこの翌年にMXが出るわけですが、あっちはフジのOEMだしなあ、と。ECXとECとの違いはほとんどわかりません。デザインにフォルクスワーゲンが参加した、と言っても基本的な形を変えるわけではないため、せいぜい本体の上下面を平らにする(その分わずかに厚みが増して大きくなりました)、レンズ周りに銀色の意匠を凝らす(ここにレンズ名が入りました)、くらいしか差がありません、ちなみに、ECXのレンズはMINAR 15mm f/5.6、ECはMINOX 15mm f/5.6、ということらしいのですが、これもECにはレンズ名が入っていないのでなんともかんとも。Minarレンズはライカ製でECのレンズよりもコントラストが良い、という話もあるのですがどうなのでしょう。
 もう一点、「フィルムロードのマーカー」がつきました。昔のシャッターが非連動だったから頃ならともかく、この機種で使うかどうかは、わかりません… 後はリストストラップの金具が変わった、あたりでしょうか。電池アダプターによっては電池室に干渉して蓋が閉まらなくなるのが注意、もかな。

 まあ、基本が「変わっていない」ということはつまりECの手軽な使い勝手の良いところもそのまま、ということです。ピント調節を省いて小型化したMinoxの手軽さは侮れません。

 TLXと同様ですが、中古で探す場合の弾数が少なく、ちゃんと動くものに出会うことを考えるとECを探す方が良いかも、というところが悩ましい…

 

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Rollei RPX25, H&W