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MEC16SB(「世界初」の個性)

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 先代のMec16は露出計なしで1956年に発売されていました。そして、SBが1960年。このクラスで初のゴッセン製TTL露出計を備える、という豪華なやつ。しかも、内蔵TTL露出計、という意味でも世界初。(PentaxSPプロトタイプの発表が同年。トプコンREスーパーが3年後)シャッターもフォーカルプレーン型で1/1000まであります。Wikiではシングル孔、ダブル孔両方で使える、とあるけれど、ネットで見ているとそのままではシングル孔は辛そうな気配。マガジンはMicro16と互換性がある、とのことだけれど、これも「ものによっては」、という感じらしい。RADAも使える(少し小さいけど)、という記述もあるので、要は爪でフイルムを送るので、マガジン部分はフイルムがおさまればなんとかなる、感じなのでしょう。それに、色々見ているとダークバッグを前提とすればそもそもマガジンいらないんじゃないの?という気もする。

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 本体の角に位置するゴッセンのTTL露出計。残念ながら不動なので、マニュアル機として試します。レンズはローデンシュトックのヘリゴン22mmf2。距離計は付いていないので目測です。興味深いのは、距離目盛りの最小が1feet。付属のチェーンがほぼ30cm。つまり、最短距離のゲージがわりのチェーンです。ミノックスみたい。ボディ下面の三脚穴のそばにはフィルターセット用の溝があります。ここにはUVフィルターが入っていました。

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 両穴16mmフイルム対応、ということなので先日購入したこれを。映画用だからなのか、ベースがとても薄いです。ダークバッグの中での手触りが異質。さらに、薄いためにマガジンに「押し込む」のに苦労します。フイルムの先端の角を落とし、曲げ癖をつけて受け側のマガジンに少し差し込んだ状態でカメラにセット、するのですが、この時、フイルムゲートの下側にきちんと押し込まないと、上部の爪に引っかかってフイルムが送られません。とりあえず、試しに巻き上げて送られることを確認したほうがよさそう。さらに、受け側マガジンにきちんと送り込まれない、と言うことも起こります。その場合、マガジン手前でくちゃくちゃになった悲しいフイルムの姿を見る羽目になる…ので、この辺りもお試しが必要。最悪の場合、フイルムの取り出しはダークバッグで行うことにして、「受け側マガジンを使わない」という手段もあります。まあ、送り側も受け側もRADAカセットを使う、というのが精神の健康によさそう、かなあ。

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 フイルム送りについては http://www.crane.gr.jp/toy/MEC16SB/index.html の情報を参考にさせていただきました。ここ、詳細でとても役に立ちます。ありがとうございます。

 使用にあたっての注意点はフイルムカウンター。これが0になると巻き上げもシャッターも動きません。(ダイヤルで数字を動かせば動くようになります)全体的な使用感はなかなか良く、ちゃんとした機械、と言う手応えがあります。フイルムマガジン関係がもう少し使い良くできれば気持ちよく使えそう。

 

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D76,1:1で。