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Viscawide-16 ST-D (16mmのパノラマカメラ)

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 16mmフィルムを使ったパノラマカメラ。太洋光機製1961年の製品です。シャッターを押すとレンズが首を振って視野角120°のパノラマ写真をとる、というもの。シャッター速度がH、S.の他にOFFがあるので初期型のようです。ちなみに、調べたところ S (1/60), H (1/300)とのこと。 フィルムコンパクトの末期に流行したようなフィルムの上下を隠してごまかす「なんちゃってパノラマモード」ではなく、ちゃんとしたパノラマ。スリットシャッターをぐるりと回転させる都合上どうしてもホディサイズが大きくなってしまうところを、「フィルムのほうを小さくする」ことで解決したカメラです。これといいオリンパス胃カメラといい、16mmっていろいろな場面で活用されていたのだなあ、と。ピントは無限遠に固定、です。
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 フィルムを巻き上げてから中央のダイヤルでシャッターチャージ(?)をするとレンズがぐるりと振り向きます。この時、正面から見るとレンズの絞り値の目盛と絞りダイヤルが確認できて、ここで絞りの設定も可能(F3.5-F16)。このつまみ、特に扱いにくいわけでもなく普通に設定できます。側面のシャッターレバーをうごかすと、すこん、という感じでレンズが首をふります。シャッターをSにするとHよりも少しゆっくりとレンズが動きます。フイルムの巻き上げとシャッターチャージ(というかレンズ位置の初期化)の二段階が一枚撮るのには必要な構成。
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 カメラ底部に底蓋を開けるためのダイヤルがあり、これで底面がまるまるはずれる構造です。これ、ぴったりはまっていて多少コツがいるのですが後期型は少しはずしやすくなったということです。中央部分はレンズの回転にあわせて円弧状のフィルムゲート。フィルムはその両端の二つのマガジンで供給・回収されます。巻き取り側のマガジンがフィルムをひっぱって引き込むスタイルなので、フイルムパーフォレーションの有無は問いません。そしてこの専用マガジンがまた大きいのです。「一コマ」が長大(www.submini.comによれば10×49mmらしいです)なので当然ですが。カメラ上部にはフィルムコマ数計もあるのだけれど、マニュアルがないのでどれくらいの長さのフィルムで何コマ撮れるのかさっぱりわかりません。まあ、試してみるしかない、ですね。とりあえず、なんとなくマガジンのサイズ感からミノルタマガジンの倍を巻き込んでみることにします。マガジンの形状が独特なので、供給側回収側を間違えないようにしないといけません。

 

 さて、金沢動物園近傍で試し撮り。これ、やってみないとわからない楽しさがありますねえ。くせになりそう。駒が多少斜めに写り込んでいるのはマガジンかボディの問題かな。
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