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PentaxStereoAdapter & ViewerII(立体写真の楽しみ)

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 ステレオリアリストとかも昔から気になっているカメラで(とはいえまだ手にしていないのですが)、「立体写真」という一ジャンルの入り口です。左右の視差を用いて立体視する写真。うまく見えれば実際以上に奥行きが強調されて、ちょっと不思議な視覚体験が可能になります。我々は日常的に左右の目で立体視をしているはずなのですが、あまり自覚していません。それを無理やり認識させる、というのがこの道具。とはいえ、3D映画もそんなにもりあがらなかったし、任天堂3DSも立体表現をしないゲームばかりになってきたように、これはこれで異質な視覚体験ではあります。立体写真を撮るカメラには「レンズ系が二系統ある」ものと「一つのレンズで視差画像をつくる」ものとがあります。リアリストやローライの元祖のハイドスコープや、旧コンタックスのスタレオター(これもお高くて手が出せなかった…)は前者で、このペンタクッスのアダプターが後者です。
 それを専用のビューワーで立体的に鑑賞するわけですが、昔は各地の観光地に立体写真ビューワーがあってお金を入れて鑑賞したりしていたものです。いまでも日本カメラ博物館には似たようなものがありますし、なにより「ビューマスター」というおもちゃ、知っている人も多いのではないでしょうか。円盤に小さなスライドフィルムがはめ込んであって、プラスチック製のビューワーで立体写真を鑑賞するおもちゃ。世界中の観光地でフィルムを売っているし、いろいろなテレビや映画作品のフィルムもあります。ようは、「あれ」を自分で作成する、という感じ。
 ちなみに、ビューワーがなくても「見方の修練」をつむことでいわゆる「裸眼立体視」ということができるようになり、「写真を二枚並べて立体鑑賞」は可能です。というか、ビューワーはその作業を楽にするためのもので、実際にペンタックスの現行ビューワーはスライドではなくプリントした写真を2枚並べて鑑賞するようになっています。なので、一台のカメラで視差分だけずらして二枚撮影して立体視をすれば、一応立体写真、なわけです。

 さて、このステレオアダプター、アルプス堂さんで購入しました。ちょうどMEで遊んでいるタイミングだったのでパンケーキレンズにつくことを確認し(49mm径なのです)購入。お店の人によると標準レンズにあわせてつくられているのでパンケーキ40mmだと若干ケラレるかも、ということなので、マクロ50mmにつけてみます。
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 理想としては、マクロの立体写真だったのだけれどそれは無理なのです。と、いうのはアダプターの視差角度が固定なので、距離にして1.5m以上ははなれていないといけない。しかし、立体感のある立体写真を撮るには近くから遠くまでの奥行きがわからないといけない、ということは、つまりある程度絞り込まないといけない。さらに、35mm一コマを左右に分けるので一コマは縦位置ハーフサイズになります。つまり、ファインダー中央部のスプリットマイクロマットが使えない。マット部でピント合わせをするわけです。あと、ファインダーには当然左右の像がいっしょにみえているので慣れるまで構図を決める時に隣のコマが邪魔な感じ。MX用として、左右二箇所にマイクロマットを入れたファインダースクリーンとか作ってくれればよかったのになあ。

 ひさしぶりのリバーサルVelvia(本当はProvia400がよかった…)で一本とりきったものを、横浜の「カメラはスズキ」さんにだしました。現像に出す際に「ステレオアダプターを使用しているので、ハーフサイズ相当2駒を35mmのマウント1駒にマウントしてほしい」と申告しておいたにもかかわらず、「ハーフサイズはマウントできません」とつれなく長巻で返ってきました。指示の意味がない…自分でマウントするからよいのですが。ハーフサイズのマウントって最近はもうつくっていないのですねぇ、と関係ないところで感慨にふけったり。

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 ビューワーで眺めるのが楽しいのです。なんというか、いかにも昭和なテイストがあります(笑)。パノラマと同様にこれもまた病みつきになりそう。ただ、調子に乗って近くのものを構図にいれすぎたものはきれいに立体視できません。やはりある程度離れておかないとだめ。それから、ビューワーに視度調整がないので、そのあたりもケースバイケースで対応が必要です。
 撮影時のコツは、できるだけ手前から奥まで連続して被写体が写っていること。奥行き方向の複雑さがわかりやすいこと、縦位置でうまくそれが構成できると楽しい立体写真ができます。

 何枚か。とはいえビューワーがないので、画面を裸眼立体視でどうぞ、という。

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