Anything Goes (again) ...

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バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(やっぱり口髭はだめなんだ)

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 映画好きでないとちょっと入口が狭いかもしれない。あと、「映画と舞台」みたいな対比でとらえようとしても「ブロードウェイ」という化け物のない日本の文化の中での対比はちょっと無理。
 よくいわれている「長回し」、実際には結構巧妙につくられているので本当の長回しドキュメンタリー撮影とは違うのだけれどインパクトは絶大。ただし、このインパクトを感じることができるのもそれなりに映画をみている人に限られるかも。
 ここぞ、というところでかかるマーラーの九番。強烈な印象をのこすのだけれど、ただ、残念だったのは二回使うなら違うパートにするなりしてほしかったなあ。まんまの繰り返しではちょっと興ざめ。
 映画vs.舞台、という文化バトルの代弁によってアカデミー賞とったのかな、と思わせるようなブラックな展開も楽しい。
 総じて、ニヤリとさせられる小粋な小品、という感じです。映画業界、という箱庭。おしゃれさも皮肉もギャグも、こじんまりとまとまっていてその箱の中の物語を楽しめるのならば絶対的に楽しい。箱の業界の外からみてしまうとちょっとなにかがずれた違和感もあるかもしれません。

 個人的には今度は「舞台側」からみた同様のハリウッド映画の物語もみてみたいかも、とは思った。とはいえ映画製作のほうがブロードウェイ舞台よりもハードル低いから成立しないのかねえ。