Anything Goes (again) ...

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「オデッセイ」(あそこでデビッド・ボウイはずるいよ…)

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 最初はなんでこれをリドリー・スコットが?と思っていたのだけれど、的確な宇宙船表現で納得。内容は、すでにほうぼうでいわれているとおり、そして原作の通り、火星の鉄腕ダッシュです。そして、どこにも悪いやつ、嫌なやつがいない。個々のシーンはとんでもなくシリアスなのに、それがすべて前向きな気持ちで克服されていくカタルシス。これは傑作です。
 そうそう、研究者ってばかだからこうなるよね、みたいにニヤニヤしながら見られます。(ああなれない研究者はそもそも向いてない)植物学(というか生物学)なめるなよ、と。映画的なごまかしなどは巧妙に目立たないようにされていて、火星との通信ラグ等も気にならないように処理されているのもよし(言及はされている)。まあ、ワトニーが小説よりもお上品ないい子ちゃんになっちゃっているのがもったいないけれど、「映画ってそういうもの」なのだろうからしかたないかな(小説のままだとギークすぎて一般ウケしなさそう)。とりあえず、「植民地の長」→「宇宙海賊」→「アイアンマン」という成り上りは描かれているのだし。
 なによりも、パスファインダーが最後まで健気に大活躍しているのが泣けます。偉いぞ!バトルシップ感をだすにはちょっと新しめなネタではあるけれど、掘り出され、最後まできちんと仕事を果たしているあたり、がんばりました。地球側で懐かしのTurboMouseがうつりこむのもよし。
 それにしてもここのNASAは予算がたくさんあっていいなあ。最後に交換条件付きで手を貸すのが中国、というのは原作通りなのだけれど、あれどうみてもHTVだし、名前が「ATV」になっているあたり、北朝鮮の「NADA」みたいなものかね。

 
 一つだけ難あり、だっとのは(ましたても、例によって、いつもながら)邦題と宣伝コピー。原作も映画もちゃんとふまえないで適当な雰囲気ででっちあげるからああいうくそったれなモノをつくっちゃうんです。初代火星植民地大統領なんだから素直に「火星の人」でよかったのに。なんでオデッセイなの?ヘルメスのメンバーが主役だとでもいうわけ?