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Kievからミノルタ型16mmカートリッジへの対応

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 16mmのカメラがオークションでいろいろとお手頃価格で手に入り、ORWOのおかげでモノクロフィルムも使いやすくなったら、あとは「カートリッジ」の確保が問題となります。基本的にカメラに比べてカートリッジの出品は値段が高い傾向にあるので、簡単なのは「カートリッジのついてくるカメラ」を探すことです。そして、eBayあたりを見ているとKievというミノルタコピーベースのカメラが「セットで」結構でているわけです。セット、というのはおよそケース、フィルター、説明書、引き伸ばし用マスク、現像用リール、そしてフィルムカートリッジつき。これが結構安く出ていることが多いので魅力的。
 さて、Kievのカートリッジについては注意が必要です。初代のVegaこそ、完全なミノルタ16のコピーなのですが、次のVega2から「カートリッジあたりのフィルムのコマ数を増やす」ため、カートリッジの巻き上げ軸が細くなっているのです。その結果、ミノルタのカートリッジはKievに入るけれど、Kievのカートリッジはミノルタに入らない、ということになりました。ただ、カートリッジの外形は同じなので、ポイントは「巻き上げ側の軸と蓋」さえミノルタ型に交換すればKievのカートリッジもミノルタで使える、ということです。カートリッジそのものすべてを複製するよりも、軸と蓋だけなら比較的手間がかからないはず、ということでやってみました。冒頭の写真はミノルタとKievのカートリッジを並べて見たもの。巻き上げ軸の直径が大きい上のカートリッジがミノルタです。

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 形が単純なので片面取りでいけそうです。プラ板の上に軸と蓋を両面テープで貼り付け、ブロックで壁を立て、離型剤を塗ってシリコーンで型取り。軸の奥や蓋の内側への離型剤塗布に特に気をつけました。

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 シリコーンが固まって、型から取り出した状態。片面取りなので、底面に当たる平面部分は自分でなんとかする必要があります。とりあえず、グレーのウレタン樹脂でおこしてみました。樹脂のまわりも問題ないのですが、ウレタンなので透かして見るとところどころに気泡あり。不要部分を切り落として表面をやすりがけすると同時に、バテや樹脂で穴を埋めてからつや消し黒あたりで塗装が必要な感じ。光を透かして見て穴が細かそうならもうベアメタルあたりを一層貼っちゃう方がいいかも。注意点は、蓋の厚みがあるとカートリッジがカメラにおさまらないので実際にサイズをあわせながら整えることと、軸と蓋との摩擦が大きいとフィルム送りに問題がでそうなので接触部分をなめらかにしておくこと。どうも、この表面の穴埋めがちょっと作業的に不毛です。あと、遮光のためとはいえ、極端に脆くなるので樹脂にはあまり着色剤を添加しないほうがいいかもしれません。写真はある程度表面を平坦にしてからベアメタルを貼り付けてむりやり遮光したものです。一応、この状態でMinolta16PSでつかってみたりしています(別記事)。MGみたいにカートリッジがきつきつなモデルだともうちょっと丁寧にすり合わせをしたほうがいいみたいですが、とりあえずはKievのカートリッジがミノルタで使えました。
蓋の口元から光をひきそうなので、もしよいフェルトがあればテレンプをつけたほうがよいのでしょうけれど、とりあえずこれでも使えています。

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 厚みをあわせるために底面を削るのがめんどうくさくなってきて、かといってこの形では二面取りするのも面倒だし、ということで、片面どりのシリコーン型をとり、上面に樹脂の逃げ道をつくった上で型の上からプラ板で蓋をして固める、というやり方をためしてみました。ブレパラートにカバーグラスをかける感覚。結局、このスタイルで、かつ、ウレタン樹脂を使うのがいまのところ効率良さそう。当分はミノルタ機で安心して遊ぶことができそうです。樹脂の安定した硬化と無駄をはぶくことを考えると複数を同時に作ってしまうのがよさそうなので、次はそういう方向かな。

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 いくつかつくっているうちに、だんだんなれてきて気泡も少なくなり型からはずしたあとの作業も減ってきました。ウレタン樹脂用の着色剤も2-3%弱の範囲で使うと良い具合になります。とりあえず一段落、かな。

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